症例集

2016.06.09更新

今回は特にダックスで多い根尖膿瘍という病気です。一般的に頬が腫れて、酷いと膿が出たりします。根尖膿瘍1

根尖膿瘍2

こんな感じになっちゃいます。ダックスで多いのですが、全ての犬種でなります。この原因は第4前臼歯にあります。

第4前臼歯は前から4番目の奥歯で犬が一番よく使う歯なんです。ですので根っこも3本に分かれていて、さらにとても根っこが深くなってます。

第4前臼歯こんな感じで上顎骨に埋まってます。

歯茎から表に出ている部分よりも骨に埋まってる根のほうが長いくらいです。それが災いしてかその第4前臼歯が折れてしまったり歯石で酷い状態になってしまうと、長い根を通じて細菌が周囲の骨を溶かし、しまいにはその外側の頬を腫らすのです!

第4前臼歯歯石こんな感じで歯石でぐちゃぐちゃだったり

第4前臼歯破損こんな感じで割れて穴が開いてしまってたりすると。

根尖膿瘍レントゲンレントゲンを撮ると歯を支える周囲の骨が黒く抜けて溶けています。

唯一の根治術は抜歯になります。抗生剤やステロイドなどで一時的に頬の腫れは引きますが、感染源の歯が残っている限り必ず再発します。歯を完全に抜けば再発しません。

抜歯

抜いた歯を見ると歯の中に穴が開いていて、根っこの部分にも穴が開いています。歯や骨を溶かす細菌の恐ろしさが見てわかります。

抜歯した後は化膿止めの抗生剤や痛み止めの内服を数日分処方して基本的に日帰り〜1泊の入院になります。手術後5日ほどは柔らかい食事を与えます。その後は固いカリカリフードも食べれます。そして頬の腫れも数日で治ります。

抜歯後 頬腫れ抜歯して1週間程で腫れは治ります

第4前臼歯に歯石がびっちり付いていたり、割れて穴が開いているような場合はしばらくして頬が腫れる可能性が濃厚です。お気軽にご相談ください。

 

小型犬 根尖膿瘍治療 第4前臼歯抜歯 他の歯の歯石除去研磨も含め 日帰り〜1泊 費用総額 3〜5万(歯石の酷さ 抜歯本数や難易度による)

 

 

 

投稿者: アプリコット動物病院

2016.06.08更新

犬の避妊手術について御説明いたします。本院の避妊手術は卵巣も子宮も両方とも全て摘出する手術です。

手術の目的はもちろん避妊のためなんですが、主たる目的は卵巣子宮に関連した様々な病気を予防することです。

 乳癌を予防する。

 卵巣癌・卵巣嚢腫など卵巣の病気を予防する。

 子宮癌・子宮蓄膿症などの子宮の病気を予防する。

 発情生理に伴う出血・乳腺炎などを防ぐ。

などが挙げられます。男の子の去勢手術同様に高齢期の病気を予防することで相対的に寿命が延びるというデータ(避妊手術が直接寿命を延ばす訳ではなく、高齢期の病気で亡くなることを抑えるため未避妊の犬に比べ相対的に寿命が長くなるというデータ)もあります。

 手術のデメリットは全身麻酔が必要な事、肥満になりやすいという事(女性ホルモンが抑えられるので食欲が増進するのと、生体に必要なカロリーが15〜25%減少するため肥満になりやすくなる)。

 推奨する手術時期ですが、こちらは乳癌発生率と女性ホルモンの関係で初回発情前(一般的な小型〜中型犬なら6〜8ヶ月齢)に避妊手術を終えるのが望ましいです。初回発情前に避妊手術を実施すると乳癌を99%予防することができます。初回発情を越して2回目の発情期前に避妊手術を実施すると乳癌の予防効果は90%となります。3回目の発情期前の避妊手術は乳癌の予防効果は80%にまで落ち、それ以降は避妊手術しても乳癌の予防効果は無いと言われています。しかし卵巣の病気や子宮の病気は、その病気になる前に避妊手術を実施すれば確実に予防できます。また初回発情期前の比較的若齢の時期に手術をすると卵巣や子宮が細く柔らかく摘出が容易なので傷口が小さく済みます。また若齢期の手術は手術からの立ち直りが早い傾向にあります。若齢期に手術すれば通常は手術後の夜か次の日には食欲は戻りますが、2〜3歳を超えての手術だと1〜2日食欲が戻らないこともあります。

 避妊手術の流れですが、一般的な小型犬〜中型犬で若齢期の手術であれば手術時間も30分〜45分位なので基本的に日帰りです。午前中にお預かりしてその日の夕方にお迎えです。2〜3歳以降の小型犬〜中型犬や大型犬はご相談に応じて1泊入院になります(1泊は無料で入院できます)。

避妊手術説明

避妊手術前

 

一般的な小型犬の避妊手術の画像です、ついてるクリップは心電計のクリップです。まず毛を綺麗に剃ります。剃った後消毒しておヘソの下あたりを切開して卵巣子宮を摘出します。避妊手術は手順が決まっている手術です。まずおヘソの下を切開したら左側の卵巣の血管を処理し左側の子宮間膜の血管を処理し、次に右側の卵巣の血管を処理し右側の子宮間膜の血管を処理し、最後に子宮の根元の血管を処理して摘出します。

避妊手術後

 

体重2キロ位の小型犬で若齢期の手術ならばこの程度の傷口で卵巣子宮の摘出ができます。この傷の大きさは当然犬の大きさや卵巣や子宮の大きさ柔らかさで決まります。

手術後は自分で糸を舐めないようにエリザベスカラーや手術服を装着して7日〜10日後位で抜糸に来院てもらいます。化膿止めの抗生剤を5日分処方します。

以上が本院での避妊手術の流れになります。

避妊手術でお悩みの方、お困りの方、お気軽にご相談ください。

 

投稿者: アプリコット動物病院

2016.06.04更新

犬の去勢手術について本院のやり方をご説明します。

まず去勢手術とは男の子のワンちゃんの精巣を全て体から摘出する手術です。

去勢手術の目的は主に男性ホルモンを抑えて高齢期の病気を予防することです。 

1 精巣の癌を予防する

2 肛門周囲の腫瘍を予防する

3 前立腺肥大による排尿障害を抑える

4 会陰ヘルニア(お尻の筋肉が緩んで脱腸する病気)による排便障害を予防する

などの利点があります。これら高齢期の病気を抑えることで寿命が延びるというデータもあります(去勢手術が直接寿命を延ばすわけではなく、去勢して高齢期の病気を防ぐことで、未去勢の犬に比べ相対的に寿命が長いというデータ)。

しかしながら全身麻酔が必要不可欠というデメリットもあります。

まず理想とする実施の時期ですが生後6〜7ヶ月齢を推奨しております。去勢手術は3歳でも10歳でも15歳でも実施可能です。上記4つの病気になる前に去勢手術をすれば病気は予防できるでしょう。ではなぜ6〜7ヶ月齢での手術を推奨するのか?理由は手術からの立ち直りが若い方が圧倒的に早いからです。

2〜3歳以降に手術すると手術後1〜3日位はしょんぼりしていますが、6〜7ヶ月齢で手術すると多くの子は翌日から元気になります。精巣が未熟で小さいので傷口も小さくて済みますし、抜糸までの期間も短くて済みます。ですので去勢手術は生後6〜7ヶ月齢での実施をお勧めしております。

また足上げオシッコをさせたくないという飼い主様には早めの4〜5ヶ月齢で実施することもあります。

本院の去勢手術は基本的に日帰り手術になります。去勢手術は通常10〜15分で完了します。手術前の毛刈りや消毒なども含めてもトータルの麻酔時間は30分前後であっという間に終わります。

また手術自体も手順が決まっている手術であり大きな問題が起きる可能性はまずありません。男の子の去勢手術は目的とする精巣が既に体の外に出ているので摘出が簡単なのです。

去勢

 

流れとしては 午前中にお預かりして夕方以降にお迎えにいらしていただくという形です。(ご心配な場合は一泊は無料で入院可能です)。

去勢前

 

ペニスの根元を精巣の大きさの分だけ切開して、切り口から精巣を押し出して体外に出します、精巣の血管を処理して切って摘出します。2つ摘出して切り口を縫合して終了です。命に関わる大血管や後遺症が残りそうな神経を扱う手術ではありませんので日帰りで行います。

去勢後

実際には毛を剃って消毒して実施しますので手術後はこんな感じになります。

傷を縫った糸は7日〜10日位で再び来院していただき抜糸します。それまでは傷口を舐めないようにエリザベスカラーを装着したり、傷が隠れる洋服を着せたりして傷口を保護します。エリザベスカラーや術後服はお貸ししています。

化膿止めの抗生物質を3日分処方します。手術翌日からお散歩にも行けます。

去勢手術をお考えの方、お悩みの方、お気軽にご相談ください。

投稿者: アプリコット動物病院

2016.06.04更新

犬の歯はだいたい生後6か月齢を目安に乳歯から永久歯に生え変わります。この時期にヨダレが赤くなったり、遊んでてオモチャに血液が付いているのは乳歯が抜けて僅かに粘膜から出血するためです、特に問題ありません。抜けた乳歯は多くは本人が食事と一緒に飲み込んだり、下に落ちていたりします。

乳歯が抜けてから空いた場所に永久歯が生えることもありますし、生えてきた永久歯に乳歯が押し出されるようにして抜けることもあります。

しかしながら小型犬では永久歯が生えてきても乳歯が抜けないで残ってしまっていることが非常に多くあります。

そういう状態を乳歯遺残と言い、上の歯でも下の歯でも前歯でも犬歯(キバ)でも奥歯でも起きます。乳歯遺残

特にこの状態でもまず命に関わることはございませんが、歯と歯が密接して存在することになり隙間に歯石が付きやすくなります。

ですので本院は残ってしまった乳歯は抜くことをお勧めしております。グラグラしていれば自然と抜けることもありますが、しっかり歯の根っこが残っていると自然とは抜けません。抜く場合には人間と違って鎮静もしくは全身麻酔下での処置になります。乳歯遺残が発覚する頃は生後6〜7ヶ月齢の頃で避妊手術や去勢手術を推奨する時期でもありますので、本院では乳歯遺残の抜歯を避妊手術や去勢手術と同時に行うことをお勧めしております。

乳歯

 

抜いた乳歯です。表に出ている部分と歯茎に埋まっている根っこの部分はほぼ同じくらいの長さですね、このように根っこが残っていると自然と抜けることはまずありません。避妊手術や去勢手術の麻酔時に同時に抜いてしまうのが理想です。

投稿者: アプリコット動物病院

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