症例集

2016.06.04更新

犬の歯はだいたい生後6か月齢を目安に乳歯から永久歯に生え変わります。この時期にヨダレが赤くなったり、遊んでてオモチャに血液が付いているのは乳歯が抜けて僅かに粘膜から出血するためです、特に問題ありません。抜けた乳歯は多くは本人が食事と一緒に飲み込んだり、下に落ちていたりします。

乳歯が抜けてから空いた場所に永久歯が生えることもありますし、生えてきた永久歯に乳歯が押し出されるようにして抜けることもあります。

しかしながら小型犬では永久歯が生えてきても乳歯が抜けないで残ってしまっていることが非常に多くあります。

そういう状態を乳歯遺残と言い、上の歯でも下の歯でも前歯でも犬歯(キバ)でも奥歯でも起きます。乳歯遺残

特にこの状態でもまず命に関わることはございませんが、歯と歯が密接して存在することになり隙間に歯石が付きやすくなります。

ですので本院は残ってしまった乳歯は抜くことをお勧めしております。グラグラしていれば自然と抜けることもありますが、しっかり歯の根っこが残っていると自然とは抜けません。抜く場合には人間と違って鎮静もしくは全身麻酔下での処置になります。乳歯遺残が発覚する頃は生後6〜7ヶ月齢の頃で避妊手術や去勢手術を推奨する時期でもありますので、本院では乳歯遺残の抜歯を避妊手術や去勢手術と同時に行うことをお勧めしております。

乳歯

 

抜いた乳歯です。表に出ている部分と歯茎に埋まっている根っこの部分はほぼ同じくらいの長さですね、このように根っこが残っていると自然と抜けることはまずありません。避妊手術や去勢手術の麻酔時に同時に抜いてしまうのが理想です。

投稿者: アプリコット動物病院

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