症例集

2017.10.25更新

今回はワンちゃん猫ちゃんの健康診断のお話です。いわゆる人間ドックではなくペットドックですね。

本院は健康診断に2つのコースを設けています。

①血液検査のみのコース ±甲状腺ホルモン測定etc 所要時間は数分なので予約不要

②血液検査 胸部・腹部レントゲン 心臓・腹部超音波検査 便検査 尿検査のフルコース ±甲状腺ホルモン測定etc 要予約(午前預かり午後お迎え) 追加で脚など別部位のレントゲン撮影や別のホルモン測定なども同時に可能です。

 

①血液検査のみのコースは採血して、血液を外部の検査センターに出して検査してもらいます。採血だけなので所要時間は数分で終わります。

 貧血の有無/白血球数/血小板数/などを測定します、造血機能・骨髄系統の簡易検査とも言えます。

 内臓系の検査として 肝臓/腎臓/中性脂肪/コレステロール値/血中タンパク量/血中カルシウム量/血糖値などを調べます。

 一般的に血液検査は若いワンちゃん猫ちゃんの全身状態を参考程度に知りたい、、、というレベルでお考え頂きたいと思います。

 血液検査ですべて正常だったので全身に全く問題がない、、というわけではありませんのでご注意くださいませ。

 例えば血液検査で肝臓の数値が正常でも超音波検査で肝嚢胞や初期肝臓癌が見つかることはありますし、腎臓にいたっては例えば片方の腎臓が結石などで全く機能していなくても、もう片方の腎臓が元気であれば数値は上がりません。血管豊富で腫瘍ができやすい脾臓に異常があっても異常の現れる検査項目はありません。

 人間医学では血液検査だけである程度の癌の存在を推定できる癌マーカーというものがありますが、動物医療では2017年10月現時点では血液検査である程度の癌を推定でき、且つ各獣医大学や2次診療施設の腫瘍科で採用されている信頼性のある癌マーカーは存在しません。

 ですので、血液検査コースはあくまでも、簡易的に手軽に全身状態を把握しておきたい程度にお考え下さい。

 

甲状腺ホルモン測定はお年を召したワンちゃん猫ちゃんにオススメしております、お年を召したワンちゃんは最近寝てばかりいる・太ってきた・毛が薄くなってきた・・・など、年を取ってくれば、ある程度は仕方がない症状ですが、実は甲状腺機能低下症という病気の可能性もあります。

動物の新陳代謝を司るホルモン量が低下して、活動量が低下し寝てることが増え太りやすくなり、体温も落ち、心拍数も下がり、被毛も薄くなるなどの症状を示す病気です。甲状腺ホルモンを測定することで診断可能できます、足りない甲状腺モルモンを内服で補うことで症状は改善します。

そしてお年を召した猫ちゃんでは、低下症とは逆で、甲状腺機能亢進症と言って、新陳代謝を司る甲状腺ホルモンが出すぎてしまう病気があります。

食欲が旺盛でよく食べる、その割に痩せてくる、夜に寝ないで大きな声あげて走り回っている、、、などが主症状です。これも年だから認知症かしら!?なんて見過ごされることが多くあります。これも甲状腺ホルモンを測定することで診断できます。甲状腺ホルモンを抑える薬を内服することで落ち着きを取り戻し、食欲が安定し。体重も増えてきます。

高齢のワンちゃん猫ちゃんには甲状腺ホルモン測定をお勧めしております。

 

②血液検査 胸部・腹部レントゲン撮影 心臓・腹部超音波検査 眼科検査 便検査 尿検査 のフルコース

獣医師としては当然こちらをお勧めします、健康診断を受けようと思うならやはりしっかり調べるべきでしょう。

血液検査は前述の通りです。

犬 正常レントゲン ラテラル犬 レントゲン撮影 ラテラル

犬 正常レントゲン VD犬 レントゲン撮影 VD本院の看板犬 春子ちゃんのレントゲンです。

レントゲンでは 主に背骨の状態、各臓器の位置関係や大きさ、心臓のサイズ、肺の様子、結石の有無などを評価します。

超音波検査では心臓〜腹部臓器の内部構造、腫瘍の有無、動き、血液の流れなど、をリアルタイムで評価できます。

犬 超音波検査犬 心臓超音波検査心臓超音波です。心臓の壁の動き、弁の動き、心臓の各部屋のサイズ、血液の流れ(赤が左心房から左心室へ入る血流、青が左心室から大動脈へ流れる血流)を評価できます。

肝臓 超音波こちらは肝臓と胆嚢の超音波画像です。レントゲンでは内部構造までは評価できませんでしたが、超音波で内部構造を評価します。1cm以下の腫瘍も検出できます。

犬 目の検査目の検査では 白内障や緑内障やドライアイなどのチェックをします。

尿検査は 尿の濃さ、血尿や尿糖の有無、結石症の有無を確認します。

尿検査 結晶尿検査で四角い結晶(結石の前段階)が確認されることもあります。また、尿の濃さは腎機能の指標にもなります。腎機能の低下の場合は尿の濃さを調べることで血液検査よりも早く異常が現れます。

犬 身体検査犬 身体検査2犬 採血

あとは聴診器当てたり、歯石のチェックしたり、血液検査のための採血です。春子ちゃんはお利口なので一人で採血できちゃいます。

 

健康診断フルコースはこのような形で進行していきます。1日の中で時間を見つけて実施していくため基本的に午前中にお預かりして夕方以降のお迎えの完全予約制になります。

健康診断をするのであれば、このような健康診断フルコースをお勧めいたします。

 

そしてよく聞かれるのが、、何才くらいから健康診断受ければいいんですか??年に一回でいいんですか??という質問です。

これは非常に悩ましい問題です、人間ドックは一般的に成人して企業に就職してから企業健診で受けるのが多いのかもしれません、これはワンちゃん猫ちゃんに置き換えると2才位から!?しかしながら実際に健康診断をしていて、2才で異常が見つかるワンちゃん猫ちゃんは極めて稀です。若いうちに心臓や他臓器に異常がある場合はそれは先天的異常(生まれながらの異常)の可能性もあります、また健康であることを知ることも目的なので、本院では全年齢で若くてもフルコースをお勧めします。

では年に一回でいいのか??という問題ですが、人間の人間ドック学会では年に一回を推奨しているようです。では再びこれをワンちゃん猫ちゃんに当てはめると、、、ワンちゃん猫ちゃんの寿命を考慮すると、ワンちゃん猫ちゃんの1年は人間の4〜5年に相当すると考えられます、、、そうするとワンちゃん猫ちゃんは4ヶ月に一回健康診断受けることが推奨される!?、、理論上はそうなんですけどね、、、確かにワンちゃん猫ちゃんの悪性度の高い癌なんかは2〜3ヶ月で急速に進行していくものもあります。健康診断で異常がなくて、3ヶ月後に腫瘍になった猫ちゃんもいます。そう考えると4ヶ月に一回健康診断を受ければ癌でも早期発見できるという理論になりますが、、しかし健康診断も決して安い検査ではないし、ワンちゃん猫ちゃんにストレスもかかるので、実際は年に一回は推奨するという感じでしょうか。。。

春子春子ちゃん、お疲れ様でした!健康診断の結果は特に異常は認めませんでした!!

 

 

 

 

投稿者: アプリコット動物病院

2017.10.24更新

今回はワンちゃん 猫ちゃん で非常によくある問題の、異物の誤飲についてです。

ワンちゃん猫ちゃんは、実に様々な消化できない異物を飲んでしまいます。細かく噛み砕いて飲み込めば、1〜2日後に便から出て来ることがありますが、丸呑みしてしまった場合、やはり胃腸を詰まらせてしまいます。

胃腸が詰まると、症状としては 食欲がなくなり何度も吐きます、ご飯を食べなくても吐きます、水を飲まなくても吐きます、吐くものがなくなれば胃液を吐きます、完全に消化管が閉塞するとそのぐらい何度も吐きます。

飼い主様が異物の誤飲の心当たりがあれば、非常にありがたいのですが、多くは心当たりがなく、検査で異物誤飲が発覚するケースが多くあります。

レントゲンや超音波検査、それで不明ならバリウム検査や最終的に胃カメラを入れて異物を確認し、完全に詰まっている場合はできる限り早く手術をします。なぜなら万が一、異物によって胃腸に穴が空いてしまったら腹膜炎を起こし致死的状況になるからです。動物の状態が良好で、異物が小さいものであれば1日位は点滴してなんとか便から出てくれるよう経過観察することもありますが、基本的に異物の誤飲は緊急事態だと思った方が無難でしょう。化管に穴が開いてからでは手遅れになることが多いのですから。

 

様々な例をご紹介します。

 

猫ちゃん 止まらない吐き気でご来院。飼い主様心当たりなし。

猫 異物 レントゲンレントゲンで異物を確認。

猫 異物誤飲手術実施、小腸に異物を認め、小腸切開して摘出、おもちゃのおはじきでした。

 

犬 止まらない吐き気でご来院、心当たりなし。

犬 異物誤飲レントゲンで丸い物を確認。これだけでは大腸のガスも可能性もあります。

犬 異物 エコー超音波検査で大腸のガスではなく、小腸領域の真ん丸の異物であることを確認。手術へ。

犬 異物 スーパーボール小腸の一部が異物により大きく腫れ内出血してます。これは危なかったです、あと1〜2日遅れていたら腸が壊死して穴が開いていたことでしょう。通常の腸切開で摘出、元気になりました。

 

猫 止まらない吐き気、ヒモを飲んでしまったとのことで来院。

猫 ヒモ状異物 これは飼い主様が心当たりがあるので、無駄な検査を省くことができました、超音波検査で腸がアコーディオン状になっているのを確認し、すぐに手術。このように長いヒモ状のものは腸がアコーディオン状になります。この子は指で腸のたわみを少しずつ慎重にほぐし、腸を切らずに内視鏡でズルズル引き抜くことができました。腸を切ってないので手術翌日に退院しました。

猫 ヒモ状異物 内視鏡内視鏡で引き抜いているところ。

猫 ヒモ状異物 内視鏡思っていたよりも長くてびっくりです!

 

犬 ぐったり、止まらない吐き気でご来院。これは大変でした、飼い主様も心当たりなしでした。

単純なレントゲンや超音波検査では異物の確認が困難でした。

異物 バリウムレントゲン消化管造影検査を実施しました、小腸領域が大きく拡張し、何分たってもそこから奥には造影剤が流れて行きません。超音波では腹膜炎を示唆する所見があったので緊急試験開腹手術となりました。

犬 異物 穿孔すでに腸に穴が開き、大網という内臓を覆う膜が癒着し、腹膜炎を起こしていました。

犬 腸切除壊死して穴の開いた腸を癒着した大網ごと切除して、

犬 消化管吻合綺麗な腸で縫い合わせます(消化管吻合)。

その後は何度も何度もお腹の中を洗浄して、抗生物質をガッツリ使用して回復するのを祈ります。消化管穿孔して腹膜炎は極めて致死的です。

この子はなんとか復活してくれて10日ほどの入院で元気になりました。異物の正体は 麻っぽい繊維状の塊でした、飼い主様にも確認していただきましたが、自宅には存在しないものだったので、お散歩の時に拾い食いしちゃったのかな〜?とのことでした。

 

様々な異物を紹介しましたが、ごく一部です。異物誤飲は、本院のように規模の小さい動物病院でもほぼ毎週のようにあります。多くは胃の中にあるうちに吐かせたり、吐かせるのが危険なハリやガラス類は内視鏡胃カメラで摘出することで事無きを得ています。実際に手術が必要になる消化管完全閉塞はごくわずかです。しかし、消化管に穴が開くと致死的なので注意が必要です。

異物を飲んだ!おもちゃを飲んだ!梅干しの種などを丸ごと飲んだ!散歩で拾い食いした!というのがありましたら、まずは病院で吐かせる。

吐かせることができない針状の物や鋭利な物は胃の中にあれば内視鏡胃カメラで摘出できます。

異物の誤飲には十分お気をつけください。異物誤飲はワンちゃんも猫ちゃんも繰り返します。

中には2度繰り返し、2度手術したワンちゃんもいます。普段から拾い食い癖のあるワンちゃん猫ちゃんは、危険なものは鍵のついた簡単に開けられない箱などに片付けましょう。

 

犬 猫 異物誤飲 腸閉塞 開腹手術 入院〜退院まで費用総額 9〜15万円

(単純な腸切開手術〜腸切除して吻合手術、腹膜炎の有無、難易度によリます)

 

 

 

 

 

 

 

 

投稿者: アプリコット動物病院

2017.10.22更新

今回はあまりにも巨大だった子宮癌の猫ちゃんの症例です。

12歳の猫ちゃんが、お腹が膨れてきたとのことで来院しました。触ってみるとあまりにも腫れているので、すぐに検査となりました。

子宮癌 猫レントゲン画像です。お腹が真っ白です。

こんな状態でも食欲はそこそこある、ということでした。

お腹に水が溜まるとこのように全体的に真っ白に映ります。しかし今回は超音波検査で腹水ではなくなんらかの腫瘤と判明しました。

超音波検査で中身に液体を大量に含んだ腫瘤が確認できました。あまりにも巨大で肝臓 腎臓 脾臓 膀胱 消化管、全ての臓器と接して映るのでどの臓器が発生源か不明である、しかし通常はこのようにあまりにも巨大になっても死に至ることがなく食欲の低下がなく、液体を大量に含む臓器は子宮である可能性が高いので、開腹手術となりました。

猫 子宮腫瘍やっぱり子宮でした。私の手と同じくらいの腫瘍でした。私の手でつまんでるのが正常な方ですね。

尿管への癒着や巻き込みが心配でしたが、なんとか尿管と分離して摘出できました。周囲臓器への癒着もありませんでした。

病理診断は子宮腺癌、平滑筋肉腫でした。癌が血管の中に入り込んでる所見はなく、完全切除できているとのことでした。腫瘍の重さは1kgもありました。体重は4.6kgでしたからおよそ体重の1/4です、人間に例えた10〜15kgの腫瘍となります、、、

今後は抗癌剤はしないで経過観察となりました。

抗癌剤せず無治療ですが、約1年半経過しましたが今も元気に過ごしているそうです。

 

猫 子宮癌 摘出手術 1〜5日入院 費用総額6万〜15万円(腫瘍の大きさによります、非常に小さく通常の避妊手術とあまり変わらなければ6万ほど、今回のように巨大で難易度が高ければ15万円)

 

 

投稿者: アプリコット動物病院

2017.10.22更新

今回は猫ちゃんの消化管の癌のお話です。

最近 元気食欲がなく痩せてきた、よく吐くとのことでご来院しました、14歳と若くないので血液検査 レントゲン 超音波検査を実施しました。

レントゲンではイマイチパッとした結果が得られませんでしたが、超音波検査で消化管に腫瘤があることが判明しました。悪性腫瘍の可能性が高いことをお話しし、手術となりました。

猫 盲腸腫瘍盲腸〜大腸領域に消化管から外側に飛び出している腫瘤が認められました。

盲腸癌 腸間膜転移残念ながら、腸間膜に転移所見も認められました。進行性の腫瘍が疑われます。

盲腸癌 手術後肉眼で見える範囲で病変は全て切除し大腸と小腸を縫い合わせました、大腸と小腸は太さが違うので大腸の切り口を縫い縮めてから小腸と縫合しました。大変でした。

術後は消化管を切ったのでしばらく高栄養点滴だけで飲食はさせません、化膿止めの抗生剤、痛み止めなどを注射し、元気食欲が戻ってきて排便を確認してから、7日ほど入院して退院となりました。

診断名は、大腸癌でした。

肉眼で見える範囲の病変は切り取りましたが、すでに消化管の外にまで腫瘍が飛び出していて腸間膜にも転移所見が認められたので、延命を期待して抗癌剤のお話をしましたが、とりあえず今は元気食欲が戻っているので抗癌剤はせずに経過観察となりました。

14歳にもなってくると、病気ではなくても自然と食が細くなって痩せてもきます、、病気なのかどうなのか?の見極めは難しく、やはり血液検査やレントゲンや超音波検査などで見つけて行くしかありません。

お年を召してきて 食が細かったな、痩せてきたな、と思いましたら、やはり健康診断的に検査をお勧めします。

 

猫 大腸癌切除 小腸大腸吻合 5〜7日入院 入院費総額15〜18万円 (腫瘍の大きさ 難易度による)

 

投稿者: アプリコット動物病院

2017.10.22更新

今回はワンちゃん猫ちゃんの目の話です。

自宅でシャンプーしたら、それ以降目が開かない、痛そうにしているとのことでご来院されました。

角膜潰瘍 犬

なんだか、目が光沢ある側とザラザラの側と、肉眼でもはっきりわかりますね。角膜表層の細胞が損傷を受けてしまったのですね。

肉眼でも十分なんですが、損傷部位の広さと深さを確認するために 角膜の染色検査を実施します。

角膜潰瘍 フローレス染色

角膜の損傷部位を染める特殊な染色液を角膜に滴下すると、損傷部位が緑色に染まります。 損傷部位は角膜半分を占め、かなり大きいですがあまり深くはないようです。角膜表層が削れてしまったのですね、シャンプー中に飼い主様の指が当たってしまったのか、ワンちゃんが自分でこすってしまったのか、定かではありません。

基本的にはまずは内科治療をします、角膜保護剤と抗生剤点眼をしっかり点眼して、ワンちゃんが自分でこすってしまうのを防ぐためエリザベスカラーを装着して、一般的な角膜潰瘍なら傷の大きさやご自宅での点眼状況によりますが10〜14日でほとんどの傷は治ります。

治りが悪い場合は、逆さまつ毛があったり、点眼が不適切だったり、糖尿病やホルモン疾患などがあったり、エリザベスカラーを着けないでワンちゃんが自分で擦っていたり、、、などなどです。

ご自宅で点眼ができない場合は 数日間点眼入院や外科的介入(角膜保護のために瞼を一時的に塗って閉じたりetc)を検討します。

このワンちゃんは ご自宅での性格がやんちゃだったので、一時的眼瞼縫合と瞬膜フラップを実施して、点眼通院してもらい14日で完治しました。

投稿者: アプリコット動物病院

2017.10.21更新

今回は ワンちゃんの泌尿器結石のお話です。猫ちゃんの泌尿器結石は過去にもお話ししましたが、ワンちゃんにも多い病気です。

最近、元気食欲が無く痩せてきたということでご来院ました、4歳のチワワです。

レントゲンを撮ると 巨大な結石が複数あり、左腎臓が著しく腫れていました。

犬 膀胱結石 腎結石左腎臓左腎臓の腫れと巨大な結石が複数ありました。

犬 腎結石 左腎臓超音波検査では左腎臓は構造が崩壊しており、水腎症になっておりました(腎臓が水風船のように膨らむ)。

犬 腎結石 右腎右腎は超音波検査では正常でした。(赤と青は正常な腎臓血液の流れ)

血液検査では貧血がありましたが、腎臓の数値は正常でした。

検査結果としては膀胱結石・尿管結石により左尿管完全閉塞・水腎症という診断です。治療法は早期発見で軽度の水腎症なら尿管の閉塞を解除すれば腎臓は元に戻りますが、このように重度の水腎症になってしまったらもう手術で摘出するしかありません。

犬 水腎症摘出しました、3kg程度のチワワなら正常な尿管の太さは爪楊枝程度ですが、重度に拡張していました。炎症により周囲に重度に癒着し、尿管も著しく蛇行していたので大変でした、、、

犬 尿管結石尿管の先端に結石が詰まってました。

犬 結石巨大な膀胱結石のほか尿道に詰まっていた石も全て摘出できました!

手術後2日ほど元気はありませんでしたが、3日目位から食欲が出て元気になりました! その後、片腎だけで大丈夫かどうか腎臓の数値を血液検査して、問題無いので退院となりました。

検査の結果、結石はリン酸カルシウムという成分の結石でした。この石は基本的に食事療法が効きにくい結石です、食事療法と同時に利尿を促し結石の発生を抑えるサプリメントを長期にわたり使用していきます。 残ったもう片方の腎臓に結石が出来たら命に関わります。

結石にも色々な種類があります。膀胱に結石が発生したら、食事療法をしばらく続けても溶ける見込みがなければ手術も考えなければいけません。

手術をして結石の成分を分析して、対策を練ることが重要です。

犬 小型犬 膀胱結石 尿管結石 水腎症 摘出手術 5〜7日入院 費用総額 15〜20万円(結石の数、摘出難易度による)

 

 

投稿者: アプリコット動物病院

2017.10.18更新

今回は猫ちゃんの抜爪手術のお話です。

猫さんのお爪を摘出してしまう手術です。これには様々な意見が賛否両論あるでしょう。基本的に本院は積極的にオススメします。

猫ちゃんのお爪きり、お利口さんは大人しく切らせてくれるのですが、やんちゃな子は病院でもエリザベスカラーをつけて3人がかりで押さえつけて切ることもあります。暴れて悲鳴をあげる子もいます、猫ちゃんにも非常に大きなストレスとなります。そして爪は切っても当然すぐに伸びてきますので、またしばらくしたら切らなくてはいけません。これを繰り返すのはとても残酷です。

しかし可哀想だからと切らないでいると爪が伸びすぎて肉球に刺さってしまいます(爪とぎが不十分な老猫に多い)。爪は一生に渡って切らなくてはいけないのです。

また、人間側の問題として、ご自宅での爪とぎ行為により、壁紙やソファーなどがボロボロになってしまうという事もなくなります。

 

お利口な猫ちゃんなら良いでしょう、定期的に爪を切る事で何の問題もありません。

しかし、やんちゃな猫さんが大暴れで悲鳴をあげるような爪きりを一生に渡って行うのは、そちらの方が可哀想だと思います、爪をとってしまえば一生苦痛の爪切りから解放されます。

本院が積極的に抜爪術をオススメする理由は、炭酸ガスレーザーの導入によります。

過去、炭酸ガスレーザー導入前は飼い主様の強い依頼があれば電気メスや通常のメス刃で抜爪術を行なっておりましたが、術後テーピングも必要で敏感な指先の手術なので痛みもあります。指も腫れてビッコを引きます。4〜7日入院してました。猫ちゃんにとっても人間にとっても大変な手術でした。

しかし炭酸ガスレーザーを使用して手術すると非常に快適に終わります。

レーザー光線で血管と神経を熱処理しながら手術しますが、正常細胞への熱損傷は最低限に抑える機能があるので非常にスムーズに終わります。ほとんど出血しません。術後の腫れも最小限です。適切に全身投与の鎮痛剤と局所麻酔を併用すれば術後のテーピングも必要ありません。入院も1泊程度で済みます。炭酸ガスレーザーの導入で抜爪手術は猫ちゃんにも病院にも非常に快適になりました。

抜爪手術直後です、猫さんが気にしてしまうので毛刈りせずに手術します、炭酸ガスレーザー手術ならほとんど出血しません。腫れないのでテーピングもしません。(術後に指を気にして舐める場合は2〜3日エリザベスカラーをします)

つめ爪は一生再生しないように根元から摘出します。

1週間ご手術から1週間後にはカサブタになって治癒します。

賛否両論ある猫さんの抜爪術ですが、このように炭酸ガスレーザーを使用すればスムーズに終わります。

猫さんの爪切りでお悩みの方、お気軽にご相談ください。

猫 抜爪手術 費用総額(入院手術退院まで)両前脚両後脚、計18本で6万円弱 

避妊去勢手術と同時手術も可能です。(その場合は避妊去勢料金プラス5万円)

 

投稿者: アプリコット動物病院

2017.10.13更新

2017年9月末、炭酸ガスレーザーを導入しました。

今後は全ての外科手術に炭酸ガスレーザーを使用していきます。

炭酸ガスレーザー

炭酸ガスレーザーとは レーザー光線を直接細胞に照射し、瞬間的に細胞を沸騰蒸発させることで手術していく機械です。

それにより 微小血管 毛細血管 神経 リンパ管 を熱処理しながら手術できるので、

出血が少ない・手術後の痛みや腫れが少ない・手術時間が短縮できる・入院期間も短縮できる 

の効果があります。

今までの手術ではメス刃で手術して出血は電気メスで処理していましたが、、、

メス刃による手術は スパッと切れるので周囲の正常細胞へのダメージはありませんが、当然出血しますし、神経リンパ管も切断するので痛みや腫れも出ます。

電気メスによる手術は 電流を体に流しその熱で細胞を沸騰蒸発させていくので、止血は出来ますが周囲の正常細胞への熱ダメージがあり、術後痛みや腫れが出ますし、手術部位の治癒も遅れます。

半導体レーザーによる手術も、一応レーザーとは言われていますが、レーザーまず金属チップに当てその金属の熱で細胞を沸騰蒸発させていく(ハンダコテと同じ原理)ので、電気メス同様に止血は出来ますが周囲の正常細胞への熱ダメージが出て痛みや腫れ傷の治癒期間の延長があります。

本院の炭酸ガスレーザーはスーパーパルスモードが搭載されています。それは常にレーザーが出っ放しではなく瞬間的にレーザーを照射し瞬間的に止めるを繰り返し、周囲の正常細胞に瞬間的でも冷却時間を与えながら手術できるので、さらに周囲の正常細胞への熱ダメージを抑えてくれます。

 

メス刃通常のメス刃による手術。当然出血しますし痛み腫れも出ます

炭酸ガスレーザー炭酸ガスレーザーのスーパーパルスモードによる手術。出血はゼロで周囲の正常細胞への熱ダメージによる焦げ付きも最小限です。猫の避妊手術写真ですが、炭酸ガスレーザー使用により親指1本程度の傷でできます。

炭酸ガスレーザーを使用すれば、出血をガーゼで拭く必要もありませんし電気メスで血管を処理する必要もないので、手術時間が短縮できます。手術部位の治癒もメス刃手術に比べ大差ありません。

今後は全ての外科手術にこの炭酸ガスレーザーを使用していきます。

投稿者: アプリコット動物病院

2017.04.08更新

フィラリア症とは犬、稀に猫の心臓や肺動脈に寄生する寄生虫のことです。蚊の吸血により犬から犬へと感染が広がっていく寄生虫です。近年ではジカ熱やデング熱が蚊が媒介する感染症ということで話題になりましたが、フィラリア症は海外の蚊ではなく日本にいる蚊が媒介します。ウイルスではなく寄生虫であり、大きい成体では20cmを超えることもあります。犬や猫に心臓病や時に突然死を起こすとも言われている怖い病気です。

全ての蚊がフィラリアを持っているわけではなく、運悪くフィラリアを持っている蚊に刺されると吸血の際にフィラリア幼虫が犬や猫の血管内に侵入し感染します。

犬や猫の体内に侵入したフィラリア幼虫は脱皮をしながら犬や猫の皮膚の下を数十日かけてゆっくり移動します。数十日かけて成長したフィラリアは大きな血管に侵入し、やがて心臓や肺動脈に到達し成虫となり、そこで交尾をしてフィラリア幼虫を産み出します。

産み出されたフィラリア幼虫は心臓や肺動脈から出て全身の血管内を循環するようになり、蚊に吸血される際に吸い上げられ蚊の体内に移動して、また別の犬を吸血する際に犬の体内に侵入する、、、というのがフィラリアの感染サイクルになります。

感染してもすぐに心臓病や突然死を起こすわけではありません。感染してから数十日は皮膚の下を移動するので症状を示すようになるのは心臓や肺動脈に寄生してからです。

心臓に寄生しても一般的にはしばらくは無症状で、じわじわと数年かけて血液循環/心臓機能を障害し、やがて咳や疲れやすくなる、循環障害からお腹に水が溜まるなどの症状を示すようになります。多くの犬のフィラリア症はこのタイプの慢性フィラリア症です。

しかしながら中には急性フィラリア症もあります。原因はわかっていませんが本来肺動脈に寄生しているフィラリアが心臓内に落ち込むことで急速に循環状態/心臓機能を悪化させ、急な貧血、立てない、赤い尿などを示し、数日で亡くなってしまうこともあります。

猫ちゃんの場合は、一般的にフィラリア幼虫が体内に侵入しても猫ちゃんの免疫により幼虫は死滅すると言われています。しかし極めて稀ですが、免疫の弱い猫ちゃんは心臓や肺動脈にフィラリアが寄生してしまい、咳、食欲不振、などの症状を示し、稀に突然死もあるようです。

一度感染されると駆虫は大変で、外科手術で肺動脈からフィラリアを摘出するか長期にわたる内服や注射で駆虫するという方法になります。

ですのでフィラリア症は予防が大事なんです。予防は蚊が出始めて一ヶ月後の5月から蚊がいなくなって一ヶ月後の12月までの間、月に一回お薬を飲ませるだけで予防できます。

予防薬にも色々な種類があり、フィラリアだけにターゲットを絞った安価な錠剤や、お腹の寄生虫も同時駆虫できるジャーキータイプものや、ノミやマダニも同時駆虫できる便利なオールインワンタイプもあります。どうしても飲ませるのが困難な場合は背中に垂らすタイプや注射で予防することもできます。

予防薬は一ヶ月効いて感染を防ぐわけではありません、感染したフィラリア幼虫が皮膚の下を移動している数十日の間に飲んだ薬が幼虫を死滅させるというメカニズムです。ですので蚊が出始めてから1ヶ月後から蚊がいなくなって1ヶ月後が予防期間なのです。

首都圏近郊では予防が普及してあまり見ない病気となりましたが、本院でも毎年1頭位は感染確認されます。内服が苦手な子はお肉タイプのお薬や背中に垂らすタイプや注射もあります。しっかり予防するようにしましょう。

 

投稿者: アプリコット動物病院

2017.03.25更新

今年も狂犬病予防注射のシーズンがやってきました。

狂犬病は日本での発生はもう40年以上ありません、日本は世界でも数少ない狂犬病清浄国です。しかし主に東南アジアでは日常的な病気で、お隣の韓国では数年前にも発生があり、中国では毎年1000人以上の方が、インドでは毎年1万人以上の方が狂犬病で亡くなってしまうそうです。

狂犬病はワンちゃんだけではなく、ほぼ全ての哺乳類に感染します(犬 猫 人間 牛 馬など)。感染ルートは、狂犬病を持っている動物に噛まれることで感染します(唾液中に大量のウイルスが含まれるので、唾液が目や口に入ルコとで感染する可能性もあるそうです)。ですので海外でも野良犬などの野生動物に近づかなければ、まず感染することはありません。

しかしながら、狂犬病が何より恐ろしいのはその致死率です。狂犬病は感染して発症するとほぼ100%死亡します。死亡率100%の感染症は狂犬病だけです。過去に世界を震撼させたエボラ出血熱でも致死率は80%です。感染ルートは限定されていますが致死率100%は恐ろしいですね。

日本は島国という利点で、この致死率100%の狂犬病を抑えていますが、例えば海外からの密輸動物、貨物に混入したコウモリや猫、渡航者のペットの不法上陸などで狂犬病の日本侵入の可能性もゼロではありません。

日本はこの恐ろしい狂犬病の流行を抑えるために 狂犬病予防法 という法律あり、生後91日以上のワンちゃんは狂犬病予防注射を打つ義務があります。猫やタヌキ、ハクビシンなんかも感染しますが、日本では人間に一番身近な動物である犬に注射を義務付けています。

狂犬病予防注射は年に1回の注射です。残念ながら副作用が全く無いわけではありません、極めて稀に狂犬病予防注射でアレルギーが出て、注射後に嘔吐や下痢などが認められた例もあります。しかし他の一般的予防注射(混合ワクチン)に比べれば発生率ははるかに少ないです。

よく飼い主様に、うちの子もう年だから狂犬病打たなくてもいい?という質問を受けます。一般的に狂犬病予防注射を免除できる動物は、抗がん剤や免疫抑制剤を使用中で免疫バランスが不安定な子、病気や加齢で寝たきりで散歩にも行か無いので他の子を咬む心配の無い子、以前に狂犬病注射でアレルギーを起こしたことのある子、です。高齢であっても元気にお散歩に行っている子は打つ義務がありますので必ず打つようにしましょう。

狂犬病予防注射が打てない、打つ必要がないと獣医師が判断した場合には 狂犬病予防注射猶予証 を発行いたします。この猶予証があれば打たなくても問題ありません。

狂犬病予防注射は注射したら終わりではなく、市役所への申請が必要になります。本院は船橋市/習志野市にお住いの方に限り、市役所への申請を無料代行しています。

また本院はペットホテルやシャンプーカット(トリミング)と同時に注射もしています。ペットホテルではタイミングを見て体調の良さそうな時に、シャンプートリミング時は終了後にワンちゃんが落ち着いてから注射しています。お気軽にお申し付けください。

 

狂犬病予防注射:2900円   市役所からの注射済票発行代:550円   船橋市/習志野市市役所への手続き代行手数料:0円

 

 

投稿者: アプリコット動物病院

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