症例集

2016.04.13更新

レッグペルテス(大腿骨頭虚血壊死)とは大腿骨(太ももの骨)の骨盤側の先端が血行障害を起こし壊死してしまう病気で、
主に10kg以下の小型犬の若い子(1才未満)に発生します。血行障害が起きる原因はいくつかの説が提唱されていますが、はっきりとは判っていません。また遺伝が関与しているとも言われています。
 後ろ足の痛みや跛行(びっこ)が主症状で、1~2ヶ月かけてゆっくり進行します。放置していると筋肉が衰えて跛行が永続的に続くことになります。
 治療法は消炎鎮痛剤などの内科療法で一時的に痛みを緩和させて跛行も改善させることが可能ですが、投薬が切れると跛行や痛みは再発します。一度壊死してしまった骨は再生しません、決定的な治療は変性壊死した大腿骨の頭を切除する手術となります。
犬 レッグペルテス
今回の症例は大腿骨の頭の変性が重度であり、発症してから少し日数が経過していたため健康な側に比べ筋肉の衰えも顕著です。

犬 レッグペルテス 手術後
このように変性した部分を切除して、骨盤側も少し削りました。
骨が無くなって歩けるのか!?と思いますが、切除してできた空間には結合組織が入り込み、その周囲を筋肉が支え関節を保持するので小型犬であれば通常通りの歩行が可能となります。しかし手術後は直ぐに通常の歩行には戻れません、衰えてしまった筋肉が元に戻るまでには2~3ヶ月以上か半年位かかります。
 このような疾患の場合は手術よりもその後のリハビリの方が長期にわたるので大変だと感じます。筋肉が衰える前に手術をした方が当然運動能力回復も早いです。すこしの跛行だからといって様子を見てても改善無ければなるべく早いうちに受診しましょう。

小型犬 レッグペルテス 大腿骨頭切除術 入院から退院まで(3〜7日入院)費用総額15〜18万円

投稿者: アプリコット動物病院

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