症例集

2017.02.02更新

今回は停留精巣のお話です。停留精巣(呼び方は潜在精巣/陰睾丸など)。停留精巣はワンちゃんにも猫ちゃんにもあります。

精巣は実は生まれる前は腎臓の横に存在し、生まれた後に腹腔外に出て正常な位置に降りてきます。その精巣が生まれてしばらく経っても正常な位置に収まらず、オナカの中に残ってしまったり、内股の皮膚の下に埋もれてしまったりすることを停留精巣/潜在精巣/陰睾丸と呼びます。

原因は遺伝的に性ホルモンの不足や精巣を体外に導く管の未発達などが考えられています。両側が停留精巣である場合は精子形成能力は乏しいようですが、片側が正常位置にあれば精子形成能力はあるので繁殖は可能です。しかしながらこの停留精巣は遺伝するとも言われているため、停留精巣の子は繁殖は控えるべきでしょう。

なぜなら停留精巣の子は精巣癌になる確率が、正常精巣の子に比べて10〜20倍とも言われているからです。精巣癌に関してはこちらをご覧ください。

停留精巣だからと言ってすぐに癌になるわけではありません、一般的には6歳以上で癌になりやすくなります。

精巣癌になってから手術をするより、若いうちに癌になってない状態での精巣摘出手術を積極的に考えましょう。

停留精巣 犬精巣の膨らみが1つしかありません、停留精巣です。

停留精巣 手術 犬腹腔内停留精巣の場合は開腹手術でお腹の中の精巣を摘出します。

基本的に若い子の停留精巣の手術は腹腔内であっても日帰りです。

停留精巣は高確率で癌になります、積極的に精巣摘出手術(去勢手術)を受けるようにしましょう。

 

停留精巣が皮膚の下に埋もれている場合は通常の去勢手術料金もしくは存在位置により通常の去勢手術料金に1500~3000円加算となります(日帰り)。

停留精巣が腹腔内の場合は開腹手術になりますので 避妊手術料金と同じ料金になります(日帰り)。料金はこちらをご覧ください

 

投稿者: アプリコット動物病院

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