症例集

2016.09.07更新

今回はワンちゃんの会陰ヘルニアという病気です。一般的に男の子で去勢手術(精巣摘出術)を実施していない高齢のワンちゃんに多い病気です。去勢手術をしていないために男性ホルモンの影響でお尻の筋肉が緩んでしまい、うまく便を踏ん張って出せなくなってしまう病気です。緩んだ筋肉の隙間に大腸が入り込んでしまい、皮膚の下に便をためて腫れた大腸が触れます(お尻が腫れて見えます)。単純に便が出にくくなる病気なのですが、筋肉の緩みが酷いと大腸だけでなく膀胱までもがお尻側に飛び出てきて尿も出せなくなってしまい、最終的に死に至るケースもある怖い病気です。ミニチュアダックスやコーギーで多いとされていますが、全ての犬種でなります。

会陰ヘルニア 尻腫れ

会陰ヘルニアの典型的な写真です。お尻がパンパンに腫れています。

 

会陰ヘルニア 正常レントゲン

正常な子の大腸バリウムレントゲンです。正常な大腸は一直線です。

会陰ヘルニア レントゲン

会陰ヘルニアの子のレントゲンです。大腸の下の方が曲がって大きく広がって写ってます。便が出せずに貯まってしまいお尻がどんどん腫れてしまいます。

 

治療方針は年齢や重症度によります。高齢のワンちゃんによく起きるので、あまりにも高齢(15歳とか)で症状が軽度であれば便軟化剤などの各種下剤と食事療法で快適にスムーズに排便できるようにもなります。しかし当然根治ではありませんので終生に渡って治療が必要になります。

それほど高齢ではない(12〜13歳位まで)場合、あるいは重症で膀胱なども出てしまい排尿できずに命に関わる場合では、当然 外科手術 で根治を目指します。

手術はまず去勢手術をしていなければ、絶対に去勢手術をします。前述の通り男性ホルモンが大きく関与しているので精巣を摘出して男性ホルモンの値を下げてやります。

会陰ヘルニアは多くは左右両方の筋肉が緩んでしまうのですが、軽症の場合は酷い方の片側だけ手術してしまえば治るケースがあります。そんなに大変な手術ではありません。お尻を切って緩んだ筋肉の隙間から出てしまっている大腸を元に戻して、緩んだ筋肉の隙間を周囲の靭帯や骨を利用して縫って塞ぐだけです。

会陰ヘルニア OPE前分かりづらいですが一応写真です、肛門脇を切開して緩んだ筋肉と大腸を確認してます。

 

会陰ヘルニアOPE後周囲の靭帯と骨を利用して、太めの糸でしっかり隙間を縫って塞ぎます。

軽症な子はそんなに大変な手術ではありません。しかし重症で大腸の捻じれが酷い子や膀胱まで飛び出てしまっている子は大変です、お腹も切り開いてお尻側に飛び出た大腸と膀胱をお腹側に引き戻して、お腹側に縫って固定する手術も必要になります。それからお尻側を切って緩んだ筋肉を縫い閉じます。

 

便を出すために踏ん張るという行為は、ものすごい力が肛門周囲にかかります。そのためこの手術は半端な縫合方法ではすぐに縫合が破綻して再発してしまいます。そのため昔から人工物のシリコンプレートや人工の生体布を隙間に埋め込む方法など、様々な手術方法が開発されてきました。しかし人工物を埋め込むとそれが炎症の原因となり数年後に膿んで摘出するはめになる例もあります。

実は私、昔、大学の元教授に手術をマンツーマンで指導していただく機会があり、この手術は得意としています。本院では教授に教わった方法を例外なくきっちり守り実施することで全例で術後の経過は良好です。本院では炎症反応が起こりにくい単純な糸のみで人工物を用いずに本来ある靭帯と骨を利用して手術しています。手術後は排便状況を確認するために5〜7日入院していただきます。退院後も1〜2か月の間、便軟化剤や食事療法が必要になります。

会陰ヘルニアでお困りの方、手術を悩んでいる方、お気軽にご相談ください。

 

入院から手術して退院までの費用総額 小型犬 軽症でお尻からの手術のみの場合 10万前後。重症で開腹手術が必要な場合 10〜12万円。両側手術が必要な場合は割引あり。

 

 

投稿者: アプリコット動物病院

2016.06.09更新

今回は特にダックスで多い根尖膿瘍という病気です。一般的に頬が腫れて、酷いと膿が出たりします。根尖膿瘍1

根尖膿瘍2

こんな感じになっちゃいます。ダックスで多いのですが、全ての犬種でなります。この原因は第4前臼歯にあります。

第4前臼歯は前から4番目の奥歯で犬が一番よく使う歯なんです。ですので根っこも3本に分かれていて、さらにとても根っこが深くなってます。

第4前臼歯こんな感じで上顎骨に埋まってます。

歯茎から表に出ている部分よりも骨に埋まってる根のほうが長いくらいです。それが災いしてかその第4前臼歯が折れてしまったり歯石で酷い状態になってしまうと、長い根を通じて細菌が周囲の骨を溶かし、しまいにはその外側の頬を腫らすのです!

第4前臼歯歯石こんな感じで歯石でぐちゃぐちゃだったり

第4前臼歯破損こんな感じで割れて穴が開いてしまってたりすると。

根尖膿瘍レントゲンレントゲンを撮ると歯を支える周囲の骨が黒く抜けて溶けています。

唯一の根治術は抜歯になります。抗生剤やステロイドなどで一時的に頬の腫れは引きますが、感染源の歯が残っている限り必ず再発します。歯を完全に抜けば再発しません。

抜歯

抜いた歯を見ると歯の中に穴が開いていて、根っこの部分にも穴が開いています。歯や骨を溶かす細菌の恐ろしさが見てわかります。

抜歯した後は化膿止めの抗生剤や痛み止めの内服を数日分処方して基本的に日帰り〜1泊の入院になります。手術後5日ほどは柔らかい食事を与えます。その後は固いカリカリフードも食べれます。そして頬の腫れも数日で治ります。

抜歯後 頬腫れ抜歯して1週間程で腫れは治ります

第4前臼歯に歯石がびっちり付いていたり、割れて穴が開いているような場合はしばらくして頬が腫れる可能性が濃厚です。お気軽にご相談ください。

 

小型犬 根尖膿瘍治療 第4前臼歯抜歯 他の歯の歯石除去研磨も含め 日帰り〜1泊 費用総額 4〜6万(歯石の酷さ 抜歯本数や難易度による)

 

 

 

投稿者: アプリコット動物病院

2016.06.08更新

犬の避妊手術について御説明いたします。本院の避妊手術は卵巣も子宮も両方とも全て摘出する手術です。

手術の目的はもちろん避妊のためなんですが、主たる目的は卵巣子宮に関連した様々な病気を予防することです。

 乳癌を予防する。

 卵巣癌・卵巣嚢腫など卵巣の病気を予防する。

 子宮癌・子宮蓄膿症などの子宮の病気を予防する。

 発情生理に伴う出血・乳腺炎などを防ぐ。

などが挙げられます。男の子の去勢手術同様に高齢期の病気を予防することで相対的に寿命が延びるというデータ(避妊手術が直接寿命を延ばす訳ではなく、高齢期の病気で亡くなることを抑えるため未避妊の犬に比べ相対的に寿命が長くなるというデータ)もあります。

 手術のデメリットは全身麻酔が必要な事、肥満になりやすいという事(女性ホルモンが抑えられるので食欲が増進するのと、生体に必要なカロリーが15〜25%減少するため肥満になりやすくなる)。

 推奨する手術時期ですが、こちらは乳癌発生率と女性ホルモンの関係で初回発情前(一般的な小型〜中型犬なら6〜8ヶ月齢)に避妊手術を終えるのが望ましいです。初回発情前に避妊手術を実施すると乳癌を99%予防することができます。初回発情を越して2回目の発情期前に避妊手術を実施すると乳癌の予防効果は90%となります。3回目の発情期前の避妊手術は乳癌の予防効果は80%にまで落ち、それ以降は避妊手術しても乳癌の予防効果は無いと言われています。しかし卵巣の病気や子宮の病気は、その病気になる前に避妊手術を実施すれば確実に予防できます。また初回発情期前の比較的若齢の時期に手術をすると卵巣や子宮が細く柔らかく摘出が容易なので傷口が小さく済みます。また若齢期の手術は手術からの立ち直りが早い傾向にあります。若齢期に手術すれば通常は手術後の夜か次の日には食欲は戻りますが、2〜3歳を超えての手術だと1〜2日食欲が戻らないこともあります。

 避妊手術の流れですが、一般的な小型犬〜中型犬で若齢期の手術であれば手術時間も30分〜45分位なので基本的に日帰りです。午前中にお預かりしてその日の夕方にお迎えです。2〜3歳以降の小型犬〜中型犬や大型犬はご相談に応じて1泊入院になります(1泊は無料で入院できます)。

避妊手術説明

避妊手術前

 

一般的な小型犬の避妊手術の画像です、ついてるクリップは心電計のクリップです。まず毛を綺麗に剃ります。剃った後消毒しておヘソの下あたりを切開して卵巣子宮を摘出します。避妊手術は手順が決まっている手術です。まずおヘソの下を切開したら左側の卵巣の血管を処理し左側の子宮間膜の血管を処理し、次に右側の卵巣の血管を処理し右側の子宮間膜の血管を処理し、最後に子宮の根元の血管を処理して摘出します。

避妊手術後

 

体重2キロ位の小型犬で若齢期の手術ならばこの程度の傷口で卵巣子宮の摘出ができます。この傷の大きさは当然犬の大きさや卵巣や子宮の大きさ柔らかさで決まります。

手術後は自分で糸を舐めないようにエリザベスカラーや手術服を装着して7日〜10日後位で抜糸に来院てもらいます。化膿止めの抗生剤を5日分処方します。

以上が本院での避妊手術の流れになります。

避妊手術でお悩みの方、お困りの方、お気軽にご相談ください。

 

投稿者: アプリコット動物病院

2016.06.04更新

犬の去勢手術について本院のやり方をご説明します。

まず去勢手術とは男の子のワンちゃんの精巣を全て体から摘出する手術です。

去勢手術の目的は主に男性ホルモンを抑えて高齢期の病気を予防することです。 

1 精巣の癌を予防する

2 肛門周囲の腫瘍を予防する

3 前立腺肥大による排尿障害を抑える

4 会陰ヘルニア(お尻の筋肉が緩んで脱腸する病気)による排便障害を予防する

などの利点があります。これら高齢期の病気を抑えることで寿命が延びるというデータもあります(去勢手術が直接寿命を延ばすわけではなく、去勢して高齢期の病気を防ぐことで、未去勢の犬に比べ相対的に寿命が長いというデータ)。

しかしながら全身麻酔が必要不可欠というデメリットもあります。

まず理想とする実施の時期ですが生後6〜7ヶ月齢を推奨しております。去勢手術は3歳でも10歳でも15歳でも実施可能です。上記4つの病気になる前に去勢手術をすれば病気は予防できるでしょう。ではなぜ6〜7ヶ月齢での手術を推奨するのか?理由は手術からの立ち直りが若い方が圧倒的に早いからです。

2〜3歳以降に手術すると手術後1〜3日位はしょんぼりしていますが、6〜7ヶ月齢で手術すると多くの子は翌日から元気になります。精巣が未熟で小さいので傷口も小さくて済みますし、抜糸までの期間も短くて済みます。ですので去勢手術は生後6〜7ヶ月齢での実施をお勧めしております。

また足上げオシッコをさせたくないという飼い主様には早めの4〜5ヶ月齢で実施することもあります。

本院の去勢手術は基本的に日帰り手術になります。去勢手術は通常10〜15分で完了します。手術前の毛刈りや消毒なども含めてもトータルの麻酔時間は30分前後であっという間に終わります。

また手術自体も手順が決まっている手術であり大きな問題が起きる可能性はまずありません。男の子の去勢手術は目的とする精巣が既に体の外に出ているので摘出が簡単なのです。

去勢

 

流れとしては 午前中にお預かりして夕方以降にお迎えにいらしていただくという形です。(ご心配な場合は一泊は無料で入院可能です)。

去勢前

 

ペニスの根元を精巣の大きさの分だけ切開して、切り口から精巣を押し出して体外に出します、精巣の血管を処理して切って摘出します。2つ摘出して切り口を縫合して終了です。命に関わる大血管や後遺症が残りそうな神経を扱う手術ではありませんので日帰りで行います。

去勢後

実際には毛を剃って消毒して実施しますので手術後はこんな感じになります。

傷を縫った糸は7日〜10日位で再び来院していただき抜糸します。それまでは傷口を舐めないようにエリザベスカラーを装着したり、傷が隠れる洋服を着せたりして傷口を保護します。エリザベスカラーや術後服はお貸ししています。

化膿止めの抗生物質を3日分処方します。手術翌日からお散歩にも行けます。

去勢手術をお考えの方、お悩みの方、お気軽にご相談ください。

投稿者: アプリコット動物病院

2016.06.04更新

犬の歯はだいたい生後6か月齢を目安に乳歯から永久歯に生え変わります。この時期にヨダレが赤くなったり、遊んでてオモチャに血液が付いているのは乳歯が抜けて僅かに粘膜から出血するためです、特に問題ありません。抜けた乳歯は多くは本人が食事と一緒に飲み込んだり、下に落ちていたりします。

乳歯が抜けてから空いた場所に永久歯が生えることもありますし、生えてきた永久歯に乳歯が押し出されるようにして抜けることもあります。

しかしながら小型犬では永久歯が生えてきても乳歯が抜けないで残ってしまっていることが非常に多くあります。

そういう状態を乳歯遺残と言い、上の歯でも下の歯でも前歯でも犬歯(キバ)でも奥歯でも起きます。乳歯遺残

特にこの状態でもまず命に関わることはございませんが、歯と歯が密接して存在することになり隙間に歯石が付きやすくなります。

ですので本院は残ってしまった乳歯は抜くことをお勧めしております。グラグラしていれば自然と抜けることもありますが、しっかり歯の根っこが残っていると自然とは抜けません。抜く場合には人間と違って鎮静もしくは全身麻酔下での処置になります。乳歯遺残が発覚する頃は生後6〜7ヶ月齢の頃で避妊手術や去勢手術を推奨する時期でもありますので、本院では乳歯遺残の抜歯を避妊手術や去勢手術と同時に行うことをお勧めしております。

乳歯

 

抜いた乳歯です。表に出ている部分と歯茎に埋まっている根っこの部分はほぼ同じくらいの長さですね、このように根っこが残っていると自然と抜けることはまずありません。避妊手術や去勢手術の麻酔時に同時に抜いてしまうのが理想です。

投稿者: アプリコット動物病院

2016.04.15更新

今回の症例はミニチュアダックスでしばらく前から便に血がつく、軟便の血便をするとのことでご来院されました。

 一般的に下痢便に伴って血液が混ざる事は珍しい事ではありません、大腸も炎症を起こして粘膜が荒れると容易に出血します。ですので下痢便に伴って血液が少々混ざるくらいなら単純に下痢の治療をすればほぼ治ります。ちなみに猫ちゃんでは便秘などで硬いカチカチの便をした後に切れ痔になって便に血がつく事も多いです。

 しかしながら普通の便に血液が付着する、そして割と高齢のワンちゃんであれば大腸癌や大腸粘膜の炎症性ポリープの可能性があります。大腸癌であっても初期は元気食欲は落ちません。長いこと症状が続いているようならば詳しく調べなくてはいけません。

犬 大腸ポリープ犬 大腸ポリープ

 

単純バリウム注腸像とガス注入像(大腸粘膜を伸ばす像)です。両者ともに矢印部分にバリウム欠損像、粘膜不整が認められます。

このような像が得られたら単なる下痢の大腸炎ではなく炎症性ポリープや大腸癌の可能性が濃厚なので大腸内視鏡に進みます。

犬 大腸ポリープ内視鏡

 

大腸内視鏡で大腸内腔面積を半分以上占拠する腫瘤が認められました。このまま内視鏡下で一部を切り取って病理検査センターに送ります。

今回の子は病理検査の結果 大腸癌ではなく炎症性ポリープと診断されました。よかったです。

大腸癌であったなら開腹して大腸の部分切除手術が必要になりますが、炎症性ポリープの場合はステロイドや免疫抑制剤などの内科治療がメインになります。

大腸の病気は重度にならないと元気食欲は落ちないことが多いです。便に血がつくなどでお悩みの方、お気軽にご相談ください。

ミニチュアダックス 下血 バリウム注腸・ガス注入(無麻酔)大腸内視鏡(鎮静〜全身麻酔) 基本的に日帰り〜1泊 費用総額4〜5万円

投稿者: アプリコット動物病院

2016.04.14更新

今回は脾臓の腫瘍の症例です。脾臓、あまり耳にする機会の無い名前ですね。
脾臓とは肝臓や腎臓と同じでお腹の中にある内蔵のひとつです。主に古くなった赤血球を破壊したり、免疫細胞を集めて育てたり、貧血の時には血液を作ったりもします。血液免疫系の臓器です。
 脾臓は臓器の中でも腫瘍の発生の多い臓器です。そして厄介な事になかなか症状が現れない臓器でもあります。
犬 脾臓腫瘍
今回の症例はレントゲン写真でお腹の中に縦9cm横11cmの巨大な腫瘍が発見されましたが、元気食欲もあり自覚症状は全く無く、この時も胸のしこりの検査でレントゲンを撮ったら偶然発見されたものです。
 脾臓のしこりにはデータが蓄積されており、最新の日本国内のデータでは脾臓にしこりが発見されたらおよそ4割は悪性腫瘍であり、その中でさらに5割ほどが極めて悪性度の高い血管肉腫(余命1~3ヶ月程度)であるというデータがあります。そして残念な事にレントゲンや超音波検査ではそれらの違いは鑑別不可能であり、確実に鑑別するためには実際に摘出する必要があります。放置すれば単なる血腫であっても次第に大きくなって破裂する可能性もあり、破裂すればお腹の中が血まみれになって突然死するケースもあります。
 臓器摘出となると抵抗があるかもしれませんが、脾臓は摘出しても問題ない臓器です。血液免疫系の働きはリンパ節や肝臓、骨髄などの別の臓器が働いてくれるので脾臓摘出後に問題が起きる事はまずありません。摘出して検査に出して診断をつけると同時に、何よりも完全摘出により治療も兼ねる事ができます。
 
犬 脾臓腫瘍
今回の症例の脾臓のしこりです、小児頭大はありました。摘出手術後数日で元気に退院していきました。
 脾臓はしこりがあってもなかなか症状が現れません、万が一極悪の血管肉腫であった場合は貧血・元気消沈などの症状が現れた時点で手遅れです、早期発見は健康診断などで発見するしかありません。
犬 脾臓腫瘍
別の症例の早期発見の例です、精密健康診断の超音波検査で脾臓に9.7mmのしこりが確認されました。大きくならないか定期的にチェックして大きくなるようなら検査と根治のために摘出も考えます。このように精密健康診断で臓器を超音波で細かく見れば1cm以下のしこりでも発見できます。6~7歳以上のペット達には精密健康診断をおすすめいたします。

小型犬 脾臓摘出 入院から退院まで(3〜7日、腫瘍の大きさ動物の全身状態による)費用総10〜12万円

投稿者: アプリコット動物病院

2016.04.14更新

今回はあまりにも巨大だった腫瘍です。
夜間に電話で[お腹のできものから出血してる]との相談を受けまして、夜間で来院が難しいようでしたので応急処置としてとにかく舐めさせないように首にエリザベスカラーを付けてもらったり、できものにテーピングでもしてもらうようにして、後日来院してもらうようにしました。
 後日来院されて、できものの大きさにびっくりしました。
犬 乳腺腫瘍 乳癌
内股からお腹中央部に達する巨大な腫瘍でした。腫瘍が大きくなりすぎて破裂して出血していたようです。
 こういった大きくなりすぎた腫瘍はやがて破裂して出血し貧血を引き起こし、ワンちゃんが舐めてしまう事で感染・炎症を起こし、ワンちゃんの生活の質は著しく低下します。
この症例は、これだけ巨大だと手術時間も長くなりますし、すでに出血による貧血があり全身状態はあまり良くありませんでしたが、腫瘍を放置する事で生活の質はさらに低下し衰弱死することは明白だったので摘出手術をする事になりました。
 
犬 乳腺腫瘍 乳癌
巨大な腫瘍だけでなく胸にまで小さな腫瘍が多々ありましたので、片側の胸から内股にかけての手術となりました。手術後2~3日は体調はいまいちな様子でしたが、しだいに復活してきて元気に退院していきました、大きな腫瘍が無くなって体も軽くなったようです。

ワンちゃんの乳腺腫瘍(乳腺部のしこり)はある程度データが出ておりまして、昔からワンちゃんの乳腺に腫瘍ができたら50%は良性腫瘍で、50%は悪性腫瘍と言われています。

そして悪性の癌であった場合は犬の乳腺癌のステージ分類をします。

しこりの大きさが3cm以下はステージ①。3〜5cmでステージ②。5cm以上でステージ③。大きさに関わらずすでに肺などに転移がある場合はステージ④となります。

当然、すでに転移のあるステージ④は手術適応にはなりません。ステージ③以下であれば手術をお勧めいたします。しかし、特に5cm以上になると手術前は転移所見が無くても、手術後に転移が発覚することもあります。しかしながら何もしないでいると、今回のように腫瘍が破裂して生活の質が著しく低下します。

 大切なペット達の体に出来てしまったしこりをどの段階でどのように処置すべきか?今以上に大きくなったら手術するか?それとも小さいうちに手術するか?? とても悩ましい問題だと思います。今回のワンちゃんも様子を見ていたら次第に大きくなっていってしまったようです。
 ペット達の年齢や全身状態、腫瘍が発生した位置などによって様々に対応する形になりますが、本院では腫瘍は小さいうちに対処する事をお勧めしております。理由としてしこりが悪性腫瘍であった場合は大きくなるのを様子見ているうちに転移などして手遅れになるケースもありますし、大きくなると当然手術時間や手術による痛み、回復までの時間もかかる事になります。しかし小さいうちであれば全身麻酔ではなく鎮静剤に局所麻酔の併用で手術可能な事もあります、悪性腫瘍であっても早期摘出により完治も可能です。ペットの体を切るのはとても悩ましいですが、医療側からすればやはりいい事ずくめな早期検査早期摘出をお勧めいたします。

小型犬 乳腺腫瘍 乳腺片側全摘出手術 入院から退院まで(3日〜7日、腫瘍の大きさ動物の全身状態による)費用総額 10万前後

投稿者: アプリコット動物病院

2016.04.14更新

今回は内視鏡(胃カメラ)症例です。
夜間救急の時間帯に、4ヶ月齢のトイプードルさんが画鋲を飲み込んでしまった!!とのことで来院されました。来院時は吐き気も無く元気で無症状でしたが、レントゲンで確認したところ胃の中に針状の異物が確認されました。
犬 内視鏡 胃カメラ 異物

ワンちゃんネコちゃんが異物を飲み込んでしまった場合は、小さく鋭利な部分が無ければ吐かせる、あるいは様子を見て便から出ることを期待するという選択肢があります。しかし鋭利な部分がある場合は吐かせる事で食道(胸部食道周囲には肺心臓などがある)を傷つけてしまう恐れがあるため、吐かせる事は大変危険です。昔はこのように鋭利な物を飲み込んでしまった場合は手術でお腹を開いて摘出していましたが、獣医療でも内視鏡が一般的に使用されるようになり、手術をしないで摘出する事が可能です。本院でも内視鏡を導入し、出来る限り手術しないで異物を摘出できるように努めています。
犬 内視鏡 胃カメラ
画像は荒いですが、左上に異物が確認できます。内視鏡は簡単そうに見えますが、胃の中のゴハンに隠れてしまっている異物を摘出するのはとても大変です。画面上に見える異物も実際は5mm程の大きさです。
犬 内視鏡 胃カメラ
無事に摘出できました。飾りの部分を含め全長1.5cm弱の物でしたが、4ヶ月齢のトイプードルさんにとっては大きな異物です。様子を見ていると小腸を貫いてしまったり、無理に吐かせる事で食道を貫いてしまう可能性もありました。内視鏡は手術とは違い日帰りも可能で、動物の体への負担も少ないとっても便利な医療器械です。
 こういった異物はしばしば繰り返し飲んでしまう動物もいます、放置すると胃腸に傷がついて腹膜炎を起こすと死に至る場合もあります。動物達は食べると危険というものが解りません、飼い主様が十分注意することで防ぐ事が出来ると思います。拾い食いをしてしまう癖のある子達は十分注意してあげましょう。

小型犬 内視鏡 胃カメラ 異物摘出 日帰り 費用総額3〜4万円(胃内のご飯の量、異物の数や大きさ摘出難易度による)

投稿者: アプリコット動物病院

2016.04.13更新

今回は大型犬の指の間の水かきに出来た腫瘍です。前足の指の間にしこりがあるとのことで来院されました。しこりの大きさは1cm足らずでした。
犬 指 腫瘍
小さいしこりですが触ると固く、明らかに腫瘍であろうと思われました。針を刺して細胞を採取して調べたところ、腫瘍であることが確認されたので後日摘出することになりました。

犬 指 腫瘍
悪性腫瘍の可能性もあるので、根治を目的として腫瘍ギリギリではなく正常なところも含め広範囲に切除しました。

犬 指 腫瘍
手術後です。 指の間及び裏のパッドの間は不衛生になりがちなのでテーピングをしてこまめに消毒が必要になります。

犬 指 腫瘍
2週間くらいで抜糸しました。 腫瘍の検査結果は良性の腫瘍でした。良性なので転移の心配はありませんが、良性でも腫瘍は腫瘍なので再発の心配はあります。幸い検査の結果は完全に切除できているとのことでした。

 今回は小さな腫瘍で手術も特に大変なものではありませんでした。
今回の症例で特筆すべき点は なによりも飼い主さんの観察力です。30kgを超える大型犬の指の間の1cm足らずのしこりを発見できたのは飼い主さんが注意深く観察し体の隅々まで触っていたからでしょう。画像は毛を刈った後の画像なのでわかりやすいのですが、毛を刈る前は注意深く触らないと発見できなかったことでしょう。発見が遅れていれば、指ごと切除しないと完全切除は難しかったかもしれません。
 私も今後は日頃からもっともっと注意深く動物達に触るようにしないといけないなと教えられた症例でした。

犬 指間腫瘍切除手術 基本的に日帰り 費用総額 3〜5万円

投稿者: アプリコット動物病院

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