症例集

2018.07.23更新

女の子のワンちゃんの性周期についてですが、一般的に初回発情は小型犬では生後7〜9ヶ月齢で認められることが多い。

発情前期:落ち着きがなくなり、飲水量が増え頻尿になることもあり、外陰部の腫れ・充血・血液っぽい分泌物を認める。この時期は1週間程度続きます。実際はこの時期は雄犬の交尾は許容しないことが多い。

発情期:外陰部の腫れが落ち着き、血液っぽい分泌物が落ち着いてからが真の発情期であり、この時期に雄犬の交尾を許容する様になります。この時期も約1週間ほどです。

発情休止期:この時期の特定は微妙で、発情兆候が終わり雄犬の交尾を拒否する様になった時点となります。

無発情期:その後、次の発情前期までの期間が無発情期となります。平均して5ヶ月程度です。

以上が女の子ワンちゃんの性周期になります、実際の厳密な性周期の特定は血液検査で性ホルモンの値を測定したり、膣の細胞評価などをして特定していきます。

初回発情(生まれて初めての発情期)は不定期になりやすく、血液っぽい分泌が2週間続いたり、逆に分泌物が目立たない子もいます。

 

投稿者: アプリコット動物病院

2018.07.12更新

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投稿者: アプリコット動物病院

2018.07.11更新

今回は猫ちゃんの乳腺腫瘍のお話です。

ワンちゃんの乳腺腫瘍はこちらをご覧ください。

ワンちゃんの乳腺腫瘍は50%が良性(基本的に命には直結しない)、50%が悪性(癌です、肺転移などして命を危険にさらす)というデータがあります

猫ちゃんの乳腺腫瘍は80%以上が悪性(癌)という恐ろしいデータがあります。

ワンちゃん同様に非常に早期の避妊手術で乳癌の発生率を減らせるという報告もあります。

猫ちゃんのお腹あたりの皮膚にシコリを見つけたら、まずは細胞検査をしましょう。

猫 乳腺腫瘍 1こんな感じのシコリや

 

猫 乳腺腫瘍2こんな感じでボコボコになり乳首から液体が出ることも。

猫 乳腺腫瘍 3進行すると腫瘍が破けることもあります。

上記のように様々なシコリのタイプがあります。猫ちゃんの乳癌は悪性度が高く進行も早いです。

シコリに気付いたらすぐに細胞検査を受けましょう。

細胞検査で腫瘍が確定したら、治療をどうするか、、、です。

猫ちゃんの乳癌は臨床ステージが定められています。

シコリが2cm以下がステージ1。

シコリが2〜3cm以下がステージ2

シコリが3cm以上がステージ3。

すでに転移しているのがステージ4となります。

ステージ1〜2であれば広範囲切除で3年以上生存し根治の可能性もあります。ですので悪性度の高い癌ですが3cm以下であれば積極的に外科手術を考えます。

外科手術は基本的に片側乳腺全摘出もしくは両側同時乳腺全摘出を考えます。ワンちゃんの場合は良性の可能性もあるのでシコリだけを摘出する術式もありますが、猫ちゃんの場合は悪性度が高く触れるシコリ以外に癌細胞が乳腺に広く浸潤していることを想定し全摘出を考えます。シコリが大きい場合や肥満猫ちゃんで両側同時が難しければ、まず片側全摘して1ヶ月後にもう片側を摘出する方法もあります。しかしシコリが小さく皮膚にゆとりのある症例は両側全摘出で1回の手術でシッカリ切除することも可能です。

猫 乳腺片側全摘片側全摘。

猫 乳腺両側全摘出術両側全摘出術。

片側でも両側でも3〜5日ほど入院が必要になります。

猫ちゃんは乳腺が下の方まで伸びているので傷は足の方まで達します。

下腹部の鼠径リンパ節と脇の下の腋窩リンパ節も同時に摘出して転移がないか検査に出します。

 

悩ましいのはステージ3〜4です、放置することでドンドン癌が大きくなり破裂するからです。

破裂すると猫ちゃんが感染や炎症で痛がり舐めてしまい、元気食欲が落ち、生活の質は著しく下がります。

飼い主様とよ〜く相談してテーピングなどで支持療法するか、肺転移で命尽きる時まで生活の質を向上させるために破裂した癌だけを摘出する事も考えます。

 

このように悪性度が高いのが猫ちゃんの乳腺腫瘍の特徴です。

猫ちゃんのお腹から胸にかけてシコリを見つけたら急いで検査しましょう。

猫ちゃんの乳腺腫瘍についてお気軽にご相談ください。

 

猫 乳腺腫瘍 片側乳腺全摘出術 リンパ節摘出 入院から退院まで10〜12万円 シコリのサイズ猫の大きさによる

猫 乳腺腫瘍 両側乳腺全摘出術 リンパ節摘出 入院から退院まで13〜15万円 シコリのサイズ猫の大きさによる

 

投稿者: アプリコット動物病院

2018.07.09更新

今回は抗癌剤の副作用のお話です。

まず抗癌剤の多くは細胞分裂が盛んな細胞を攻撃して効果をあげていきます。

すなわち癌細胞はどんどん増殖していくため細胞分裂が盛んなので抗癌剤が効きます。しかしながら抗癌剤は癌細胞を狙い撃ちしているわけではなく、体の正常な細胞の中で細胞分裂が盛んな所も同様に攻撃しダメージを与えてしまいます。これが副作用として現れます。

正常な体で細胞分裂が盛んな所は、毛包細胞、胃腸細胞、骨髄細胞です。

●被毛、、毛包細胞は正常な被毛を保つためどんどん細胞分裂します。細胞分裂の盛んな毛包細胞がダメージを受けることで脱毛の副作用が発現します。人間医療では毛髪が著しく脱毛します、しかしワンちゃん猫ちゃんでは体の被毛が激しく脱毛することは殆どありません。あるとしてもヒゲが抜ける程度です。被毛の脱毛はワンちゃん猫ちゃんでは殆ど問題にならない程度です。

●胃腸、、胃腸は次から次へと食べ物が入ってきて消化しなくてはいけないので常に胃腸粘膜の細胞は生まれ変わります。細胞分裂が盛んに行われています。ここが抗癌剤によりダメージを受けると食欲不振や嘔吐や下痢が副作用として現れます。抗癌剤投与から3〜5日位で副作用が現れることが多いです、これは胃腸粘膜の表面の細胞は傷つかず粘膜の根元の細胞がダメージを受けるためです、根元の傷ついた細胞が粘膜表面に上がってくるのに数日かかるため、抗癌剤投与から嘔吐下痢の副作用まで数日かかります。しかしながら抗癌剤による細胞障害の副作用ではなく、抗癌剤という薬物そのものに体が反応して投与当日に嘔吐する症例もあります。  嘔吐下痢は軽度であれば1〜2日で落ち着くので経過観察で大丈夫です(1日1〜2回の嘔吐で水は飲んでも吐かない、下痢は軟便程度)。しかし1日4回以上の嘔吐で水を飲んでも吐いてしまったり、激しい水様下痢の場合は通院治療で点滴や吐き止め下痢止めの治療が必要になります。

●骨髄、、抗癌剤の副作用で一番問題となるのがこの骨髄毒性です。骨髄はどんどん血液を作り出すために細胞分裂が非常に盛んです。骨髄細胞がダメージを受けることで循環血液中の白血球の数が減少して敗血症という体がバイ菌などに負けてしまう状態になってしまうことで、発熱して食欲元気がなくなりグッタリし酷い場合は多臓器障害になります。これも胃腸障害同様に抗癌剤投与直後ではなく、多くの抗癌剤で5〜10日後に現れます(例外もあります)。実際に血液中を循環している赤血球や白血球がダメージを受けるわけではなく、細胞分裂が盛んな骨髄がダメージを受けるので骨髄細胞が赤血球や白血球を作れなくなります、ですので今循環している白血球が寿命で減少していっても新たな白血球を作れないために白血球数が減少し敗血症に進んでいきます。抗癌剤投与後は定期的に血液検査をして行くことが必要です。血液検査で白血球が少なくても症状がなければ経過観察もしくは予防的に抗生物質の投与、白血球が少なく発熱や低体温が顕著であれば入院下での集中治療が必要になります。この骨髄毒性は骨髄造血細胞の全ての段階でダメージを受けるわけではないので、骨髄抑制は必ず回復します。

 

抗癌剤の副作用がひどかった場合(入院が必要なほどの胃腸障害、敗血症)は、多くの場合で次の抗癌剤の投与量を25%減らすことで劇的に改善します。

抗癌剤というと人間の方で脱毛や嘔吐など副作用がクローズアップされ否定的な考え方が多々ある様ですが、かといって抗癌剤を使用しないと癌の根治のチャンスを逃してしまう場合もあります。副作用を心配して抗癌剤を始めっから減量して使用すると当然生存期間が短縮される可能性があります。

抗癌剤が効くタイプの癌、効かないタイプの癌、また膀胱毒性や心臓毒性やアレルギー反応など特殊な副作用が起きる抗癌剤もあります。

抗癌剤治療は専門的な知識を持って使用すれば命を危険にさらす癌を根治させることも可能です。

抗癌剤使用には飼い主様のお考えを尊重し、副作用の説明、期待される効果などをじっくり相談させていただいた上で使用の有無、減量の有無を決定しています。

抗癌剤でお悩みの方、お気軽にご相談ください。

 

投稿者: アプリコット動物病院

2018.07.04更新

今回はリンパ腫という癌(血液の癌)のお話です。
リンパ腫とは全身のリンパ節・内臓に由来するリンパ組織のリンパ球という白血球の1つが癌化する腫瘍です。

発現する部位によりタイプが分けられます。
●全身のリンパ節(下顎や喉や脇の下)が腫れる、多中心型リンパ腫。
●胃腸のリンパ節が腫れる、消化器型リンパ腫。
●胸の中のリンパ節が腫れる、前縦隔型リンパ腫。
●皮膚にボコボコしこりができてくる、皮膚型リンパ腫。
●それ以外の場所にポツンと現れる。節外型リンパ腫。  

だいたいこのように分類されます。
一般的に高齢ワンちゃんに多いのですが、2〜3歳の若いワンちゃんに現れることもあります。
一番多いタイプは多中心型で、次いで消化器型、前縦隔型、、となります。

また、リンパ腫は細胞のタイプや悪性度でも分類されます。

例えば T細胞性リンパ腫の高グレード や B細胞性リンパ腫の低グレード などなどです。

一般的に高グレードは悪性度が高く、抗癌剤の効きが悪いことがあります。

 

リンパ腫の症状は発生部位によります。

多中心型は主に下顎のしこり(下顎リンパ腫大)や元気食欲の消失・嘔吐・下痢などです。

消化器型は食欲不振や嘔吐・下痢などです。

前縦隔型は呼吸が荒い・呼吸困難・咳などです。

節外型はその場所に応じて、骨に発生すれば跛行(ビッコ)、脊髄に発生すれば下半身麻痺など、、です。

リンパ腫は基本的に細胞診という細胞のみの検査で診断できる事が多いですが、稀に細胞だけでは診断できず麻酔下での組織生検(腫瘤の一部を切りとって検査する)が必要になる事もあります。リンパ腫 細胞診 犬リンパ腫の細胞診標本。

犬 リンパ腫 多中心型 下顎リンパ節多中心型リンパ腫 下顎リンパ節腫大(喉の腫れ)

犬 リンパ腫 鼠径リンパ多中心型リンパ腫で下腹部のソケイリンパ節の腫大

犬 皮膚型リンパ腫皮膚がボコボコになる皮膚型リンパ腫

犬 節外型リンパ腫 口唇 節外型リンパ腫でクチビルの腫れ。

 

 

リンパ腫は血液細胞の癌であるため、基本的には手術ではなく抗癌剤による内科治療がメインとなります。

例外として、珍しいですが臓器限局型のリンパ腫は臓器摘出手術により完治できることもあります。

 

内科治療は様々な方法があります。

一般的には抗癌剤を使用していくのですが、抗癌剤には副作用が発現することがあり、使用するか否かは飼い主様とゆっくり相談して実施していきます。

 

 

リンパ腫の様々な治療法を上げていきます。

 

1、ステロイド療法(極めてマイルドな治療) 広く獣医療で使われているステロイドはある程度リンパ腫を抑える作用があります。安価で、酷い副作用も出ないためリンパ腫治療でよく使われます。しかしながら高グレードリンパ腫に対する効果はあまり長期的ではない。低グレードリンパ腫であればステロイド単独で長期間コントロール出来ることも多くあります。5kgのワンちゃんで1ヶ月5千円以下。

 

2、内服抗癌剤(少しマイルドな治療)(クロラムブシル・サイクロフォスファマイド・メルファランなど)アルキル化剤と言われる抗癌剤達は内服薬があります。内服にすることで自宅で飲ませてもらい飼い主様の通院負担や経済的負担を減らします。副作用はあります。抗癌剤で骨髄がダメージを受けるため白血球の数が減り、熱が出たり、元気が無くなったりします。しかし内服なので定期的な血液検査で異常が現れれば投薬量を減らすことで対応できます。低グレードリンパ腫であれば内服抗癌剤で長期間コントロール出来ることが多くあります。5kgのワンちゃんで1ヶ月1万円以下。

 

3、多剤併用注射抗癌剤(最大限の治療)(Lーアスパラギナーゼ、ビンクリスチン、サイクロフォスファマイド、ドキソルビシンなど)複数の抗癌剤を交互に注射する治療計画です。基本的に最初の2ヶ月は週に1回注射、それ以降は2週間に1回注射していきます(半年間)。当然効果は一番期待できます!半年間しっかり通院して頑張れば長期延命も期待できます、現在本院では抗癌剤を頑張って耐え抜き4年再発無しでで元気にしている症例がいます。効果は一番期待できますが、酷い副作用が出ることもあり、入院が必要になる程の 水下痢 嘔吐 白血球減少による敗血症(熱が出てぐったりする)など。費用もかなり高額で毎回通院ごとに副作用チェックの血液検査や点滴や抗癌剤を含めると一回で1〜2万円かかり、最初の2ヶ月で15万円位かかってしまいます。もし再発してしまったらレスキュー療法といってまた別の抗癌剤投与計画に切り替えていきます(アクチノマイシンDやシトシンアラビノシドやACNUなど)。

 

4、対症療法(リンパ腫の治療はしない)副作用の出る抗癌剤などで延命治療は無理に行わずに、リンパ腫に対しては無治療で。リンパ腫による吐き気があれば吐き止めを使用、下痢があれば下痢止めを使用、食欲が無ければ食欲増進剤を使用。といった形で症状に合わせたケアを実施していく。

 

リンパ腫は血液細胞の癌であり、一般的に根治は困難であることが多く、抗癌剤を使用しても短命に終わってしまうことがあります。しかし半年間の抗癌剤を耐え抜いて4年以上再発無しで元気にしている子もいます。

癌治療に対する飼い主様のお考えも様々です。本院では様々な治療法を提示しそれぞれのメリットデメリットをお話しし、相談して治療法を決めていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

投稿者: アプリコット動物病院

2018.07.02更新

本院ではセカンドオピニオンを受け付けております。

「今、動物病院に通って治療中なのですが、なかなか良くならないんです。他に治療法は無いのでしょうか?」

「〇〇という病気で手術を勧められたのですが、他に方法は有りませんか?」

「〇〇という病気ですが手術は出来ないと言われました、どうすれば良いのでしょう?」

などなど色々あると思います。

 

以前の検査データや処方された薬の内容が分かれば良いのですが、以前の病院にはデータを貰いづらい、薬の種類が分からないといった場合でも大丈夫です。必要であれば当然本院で検査しますし、今あるお手持ちのデータで意見だけ聴きたいという形でも大丈夫です。

「とりあえず意見を聞きたい、本院は遠方なので治療は以前の病院に戻りたい」という場合も大丈夫です。

 

またデリケートな問題ですが、、、、

「今通っている病院で手術が〇〇万円と言われて断念した、、アプリコット動物病院はお幾らですか??」

なんて質問もよくあります。

獣医診療は自由診療ですから全く同じ手術(例えば体表の1cm程のイボ摘出手術)でも3万円のところもあれば10万円を超える所もあるでしょう。手術は同じ手術でも病院によって手術方法や使用する器械などで様々に異なるからです。

また手術費用だけの金額なのか?入院費や検査費や薬代も含めての料金なのか?同じ金額でも内容は病院により大きく異なります。

本院は入院から退院までの費用総額をおおよそでお伝えするようにしています。もちろん動物はロボットでは無いので想定以上に重症だったりすると予定金額を超えてしまうこともありますが、その時は事前にお話しさせていただいています。

なるべく安くしてあげたいとは思いますが、我々にも生活があり病院スタッフにも生活があります、しっかりとした獣医療には見合った報酬が必要でありボランティアではできません。上記のように「今通っている病院で手術が〇〇万円と言われて断念した、、アプリコット動物病院はお幾らですか??」という質問には本院なりの費用総額をお伝えしております。

以上のように大切なペット達の治療では当然様々な悩みが出てくるでしょう。

セカンドオピニオンで悩みを解消していただけたらと思います。お気軽にご相談ください。

投稿者: アプリコット動物病院

2018.07.02更新

今回は避妊手術をしていないワンちゃん猫ちゃんに非常に多い子宮蓄膿症という病気です。子宮内部に細菌感染が起き、膿が溜まってしまう病気です。

本来、外部に通じている膣部はPHが低く酸性に傾いているため、外部の細菌は子宮内に侵入しにくいのですが、発情周期を何年も繰り返していると子宮内膜の構造に変化が生じ、細菌感染しやすい環境になってしまいます。

一般的に何度も性周期を繰り返している高齢犬/高齢猫に多いのですが、若くして起きることもあります。本院の最低年齢はなんと2歳でした。

多くは発情出血が終了してから3週間くらいから発生することが多いです。

主症状は、外陰部からおりものが出ている、血膿が出てる、というのが分かりやすいのですが。膿を本人が舐めてしまったり、閉鎖型子宮蓄膿症と言って膿が出にくい子宮蓄膿症もあります。その他症状は お腹が痛そう、元気食欲がない、下痢をしてる、よく水を飲むなどなどです。

 

治療法は第一選択は外科手術で卵巣子宮を摘出することです。適切に手術をして術後管理をしっかりすればほぼ助かります。

診断治療が遅れて子宮破裂や細菌性腹膜炎を起こしていると状況は厳しくなります。

また高齢犬猫に多いのも難点です、先日は14歳で心臓病で肺水腫を繰り返しているワンちゃんの手術をしました、なんとか元気になりました。

子宮蓄膿症 手術内部に蓄膿した子宮は私の指よりも太くなります。手術後はしっかり腹腔洗浄します。

子宮蓄膿症 術後摘出した子宮からは膿がドロドロ出てきます。この膿は抗生剤感受性試験を実施して、どの抗生剤が効くか調べます。

子宮蓄膿症は手術で卵巣子宮を摘出しても、術後の腹膜炎の管理や細菌から放出された毒素の排泄を促すため数日間は静脈点滴を流し抗生剤をしっかり使用していきます。

抗生剤感受性試験の結果が出て、食欲が安定してきたら点滴を終了し退院となります。通常は4〜5日間入院です。

今の所。開業以来、本院は子宮蓄膿症で死亡した例はありません、多くの飼い主様が比較的早期にご来院頂いてるというのも要因の一つでしょうけど、腹膜炎を併発していた15歳の重症例でもなんとか完治しています。しっかり診断してしっかり手術で摘出して、よーく腹腔内を洗浄し、膿を抗生剤感受性試験に出して抗生剤を選抜して、術後はしっかり点滴流して、、、と適切に治療すれば助かります。

多くは発情出血後3週間ほどで発症します、元気食欲/おりものに注意しましょう。

また子供を産ませる予定がないワンちゃん猫ちゃんは積極的に卵巣子宮の摘出(避妊手術)を実施しましょう。

 

子宮蓄膿症 犬 猫 入院から手術 退院まで総額 12万〜15万程(重症度による)

投稿者: アプリコット動物病院

2018.06.30更新

今回はウサギさんの膀胱結石、尿道結石のお話です。

ワンちゃん猫ちゃんでよくある泌尿器結石ですが、ウサギさんやハムスターさんでも発症することがあります。

ウサギさんも症状は頻尿・血尿・尿が出ないなどです。しかしウサギさんは草食動物であり、普段から何度もトイレに行って排便するので頻尿などの症状が発見しづらい傾向にあります。多くの場合で食欲不振が主症状であり、検査で結石が認められて、「あ、そう言えば何度もトイレに行っているかも、、、」という感じです。

ウサギ 膀胱結石2このようにレントゲンに丸い結石が写ってきます。

ウサギ 膀胱結石 レントゲン1別の子のレントゲンです、このウサギさんは膀胱ではなく骨盤腔内の尿道に結石があります。

ワンちゃん猫ちゃんであれば食事療法で溶ける結石もあり、全ての結石が手術適応ではありません、結石を溶かす専用の処方食が沢山あります。

しかしウサギさんの結石は殆どがカルシウム系の結石であり、内科治療による自然溶解はほぼ期待できません。基本的に外科手術が必要となります。高齢ウサギで結石が膀胱内であれば尿道カテーテルを通して手術せずに尿を出させて経過観察することもありますが、尿道内結石でカテーテルを通せない場合は、尿を出せないと必ず死に至りますので手術しかありません。

ウサギ 膀胱結石 手術手術写真です、ウサギさんの膀胱は左上の私の指よりも小さいので大変です。

膀胱内結石であれば膀胱切開して結石摘出して膀胱縫って終わりですが、尿道結石はものすごく大変です!!

骨盤腔内の尿道結石にアプローチするには骨盤の骨を切って尿道切開することが必要になります。

手術後は、縫った膀胱や尿道から尿が漏れ出ないように尿道カテーテルを2〜3日入れて入院になります。

 

このウサギさんの泌尿器結石は殆どがカルシウム系の結石です、発生するしないは個体差ですが、食生活も大きく影響します。

骨の成長の終わった成ウサギは、低カルシウムのペレット、低カルシウムのチモシー牧草を主体とした食生活にしましょう。

カルシウム含有量の多い生野菜やオヤツ類は控えましょう。

 

ウサギ 膀胱結石 膀胱切開による摘出 入院2〜4日 費用総額 12万円程

ウサギ 尿道結石 骨盤骨切り尿道切開 入院4〜7日 費用総額 15万円程

 

 

投稿者: アプリコット動物病院

2017.10.25更新

今回はワンちゃん猫ちゃんの健康診断のお話です。いわゆる人間ドックではなくペットドックですね。

本院は健康診断に2つのコースを設けています。

①血液検査のみのコース ±甲状腺ホルモン測定etc 所要時間は数分なので予約不要

②血液検査 胸部・腹部レントゲン 心臓・腹部超音波検査 便検査 尿検査のフルコース ±甲状腺ホルモン測定etc 要予約(午前預かり午後お迎え) 追加で脚など別部位のレントゲン撮影や別のホルモン測定なども同時に可能です。

 

①血液検査のみのコースは採血して、血液を外部の検査センターに出して検査してもらいます。採血だけなので所要時間は数分で終わります。

 貧血の有無/白血球数/血小板数/などを測定します、造血機能・骨髄系統の簡易検査とも言えます。

 内臓系の検査として 肝臓/腎臓/中性脂肪/コレステロール値/血中タンパク量/血中カルシウム量/血糖値などを調べます。

 一般的に血液検査は若いワンちゃん猫ちゃんの全身状態を参考程度に知りたい、、、というレベルでお考え頂きたいと思います。

 血液検査ですべて正常だったので全身に全く問題がない、、というわけではありませんのでご注意くださいませ。

 例えば血液検査で肝臓の数値が正常でも超音波検査で肝嚢胞や初期肝臓癌が見つかることはありますし、腎臓にいたっては例えば片方の腎臓が結石などで全く機能していなくても、もう片方の腎臓が元気であれば数値は上がりません。血管豊富で腫瘍ができやすい脾臓に異常があっても異常の現れる検査項目はありません。

 人間医学では血液検査だけである程度の癌の存在を推定できる癌マーカーというものがありますが、動物医療では2017年10月現時点では血液検査である程度の癌を推定でき、且つ各獣医大学や2次診療施設の腫瘍科で採用されている信頼性のある癌マーカーは存在しません。

 ですので、血液検査コースはあくまでも、簡易的に手軽に全身状態を把握しておきたい程度にお考え下さい。

 

甲状腺ホルモン測定はお年を召したワンちゃん猫ちゃんにオススメしております、お年を召したワンちゃんは最近寝てばかりいる・太ってきた・毛が薄くなってきた・・・など、年を取ってくれば、ある程度は仕方がない症状ですが、実は甲状腺機能低下症という病気の可能性もあります。

動物の新陳代謝を司るホルモン量が低下して、活動量が低下し寝てることが増え太りやすくなり、体温も落ち、心拍数も下がり、被毛も薄くなるなどの症状を示す病気です。甲状腺ホルモンを測定することで診断可能できます、足りない甲状腺モルモンを内服で補うことで症状は改善します。

そしてお年を召した猫ちゃんでは、低下症とは逆で、甲状腺機能亢進症と言って、新陳代謝を司る甲状腺ホルモンが出すぎてしまう病気があります。

食欲が旺盛でよく食べる、その割に痩せてくる、夜に寝ないで大きな声あげて走り回っている、、、などが主症状です。これも年だから認知症かしら!?なんて見過ごされることが多くあります。これも甲状腺ホルモンを測定することで診断できます。甲状腺ホルモンを抑える薬を内服することで落ち着きを取り戻し、食欲が安定し。体重も増えてきます。

高齢のワンちゃん猫ちゃんには甲状腺ホルモン測定をお勧めしております。

 

②血液検査 胸部・腹部レントゲン撮影 心臓・腹部超音波検査 眼科検査 便検査 尿検査 のフルコース

獣医師としては当然こちらをお勧めします、健康診断を受けようと思うならやはりしっかり調べるべきでしょう。

血液検査は前述の通りです。

犬 正常レントゲン ラテラル犬 レントゲン撮影 ラテラル

犬 正常レントゲン VD犬 レントゲン撮影 VD本院の看板犬 春子ちゃんのレントゲンです。

レントゲンでは 主に背骨の状態、各臓器の位置関係や大きさ、心臓のサイズ、肺の様子、結石の有無などを評価します。

超音波検査では心臓〜腹部臓器の内部構造、腫瘍の有無、動き、血液の流れなど、をリアルタイムで評価できます。

犬 超音波検査犬 心臓超音波検査心臓超音波です。心臓の壁の動き、弁の動き、心臓の各部屋のサイズ、血液の流れ(赤が左心房から左心室へ入る血流、青が左心室から大動脈へ流れる血流)を評価できます。

肝臓 超音波こちらは肝臓と胆嚢の超音波画像です。レントゲンでは内部構造までは評価できませんでしたが、超音波で内部構造を評価します。1cm以下の腫瘍も検出できます。

犬 目の検査目の検査では 白内障や緑内障やドライアイなどのチェックをします。

尿検査は 尿の濃さ、血尿や尿糖の有無、結石症の有無を確認します。

尿検査 結晶尿検査で四角い結晶(結石の前段階)が確認されることもあります。また、尿の濃さは腎機能の指標にもなります。腎機能の低下の場合は尿の濃さを調べることで血液検査よりも早く異常が現れます。

犬 身体検査犬 身体検査2犬 採血

あとは聴診器当てたり、歯石のチェックしたり、血液検査のための採血です。春子ちゃんはお利口なので一人で採血できちゃいます。

 

健康診断フルコースはこのような形で進行していきます。1日の中で時間を見つけて実施していくため基本的に午前中にお預かりして夕方以降のお迎えの完全予約制になります。

健康診断をするのであれば、このような健康診断フルコースをお勧めいたします。

 

そしてよく聞かれるのが、、何才くらいから健康診断受ければいいんですか??年に一回でいいんですか??という質問です。

これは非常に悩ましい問題です、人間ドックは一般的に成人して企業に就職してから企業健診で受けるのが多いのかもしれません、これはワンちゃん猫ちゃんに置き換えると2才位から!?しかしながら実際に健康診断をしていて、2才で異常が見つかるワンちゃん猫ちゃんは極めて稀です。若いうちに心臓や他臓器に異常がある場合はそれは先天的異常(生まれながらの異常)の可能性もあります、また健康であることを知ることも目的なので、本院では全年齢で若くてもフルコースをお勧めします。

では年に一回でいいのか??という問題ですが、人間の人間ドック学会では年に一回を推奨しているようです。では再びこれをワンちゃん猫ちゃんに当てはめると、、、ワンちゃん猫ちゃんの寿命を考慮すると、ワンちゃん猫ちゃんの1年は人間の4〜5年に相当すると考えられます、、、そうするとワンちゃん猫ちゃんは4ヶ月に一回健康診断受けることが推奨される!?、、理論上はそうなんですけどね、、、確かにワンちゃん猫ちゃんの悪性度の高い癌なんかは2〜3ヶ月で急速に進行していくものもあります。健康診断で異常がなくて、3ヶ月後に腫瘍になった猫ちゃんもいます。そう考えると4ヶ月に一回健康診断を受ければ癌でも早期発見できるという理論になりますが、、しかし健康診断も決して安い検査ではないし、ワンちゃん猫ちゃんにストレスもかかるので、実際は年に一回は推奨するという感じでしょうか。。。

春子春子ちゃん、お疲れ様でした!健康診断の結果は特に異常は認めませんでした!!

 

 

 

 

投稿者: アプリコット動物病院

2017.10.24更新

今回はワンちゃん 猫ちゃん で非常によくある問題の、異物の誤飲についてです。

ワンちゃん猫ちゃんは、実に様々な消化できない異物を飲んでしまいます。細かく噛み砕いて飲み込めば、1〜2日後に便から出て来ることがありますが、丸呑みしてしまった場合、やはり胃腸を詰まらせてしまいます。

胃腸が詰まると、症状としては 食欲がなくなり何度も吐きます、ご飯を食べなくても吐きます、水を飲まなくても吐きます、吐くものがなくなれば胃液を吐きます、完全に消化管が閉塞するとそのぐらい何度も吐きます。

飼い主様が異物の誤飲の心当たりがあれば、非常にありがたいのですが、多くは心当たりがなく、検査で異物誤飲が発覚するケースが多くあります。

レントゲンや超音波検査、それで不明ならバリウム検査や最終的に胃カメラを入れて異物を確認し、完全に詰まっている場合はできる限り早く手術をします。なぜなら万が一、異物によって胃腸に穴が空いてしまったら腹膜炎を起こし致死的状況になるからです。動物の状態が良好で、異物が小さいものであれば1日位は点滴してなんとか便から出てくれるよう経過観察することもありますが、基本的に異物の誤飲は緊急事態だと思った方が無難でしょう。化管に穴が開いてからでは手遅れになることが多いのですから。

 

様々な例をご紹介します。

 

猫ちゃん 止まらない吐き気でご来院。飼い主様心当たりなし。

猫 異物 レントゲンレントゲンで異物を確認。

猫 異物誤飲手術実施、小腸に異物を認め、小腸切開して摘出、おもちゃのおはじきでした。

 

犬 止まらない吐き気でご来院、心当たりなし。

犬 異物誤飲レントゲンで丸い物を確認。これだけでは大腸のガスも可能性もあります。

犬 異物 エコー超音波検査で大腸のガスではなく、小腸領域の真ん丸の異物であることを確認。手術へ。

犬 異物 スーパーボール小腸の一部が異物により大きく腫れ内出血してます。これは危なかったです、あと1〜2日遅れていたら腸が壊死して穴が開いていたことでしょう。通常の腸切開で摘出、元気になりました。

 

猫 止まらない吐き気、ヒモを飲んでしまったとのことで来院。

猫 ヒモ状異物 これは飼い主様が心当たりがあるので、無駄な検査を省くことができました、超音波検査で腸がアコーディオン状になっているのを確認し、すぐに手術。このように長いヒモ状のものは腸がアコーディオン状になります。この子は指で腸のたわみを少しずつ慎重にほぐし、腸を切らずに内視鏡でズルズル引き抜くことができました。腸を切ってないので手術翌日に退院しました。

猫 ヒモ状異物 内視鏡内視鏡で引き抜いているところ。

猫 ヒモ状異物 内視鏡思っていたよりも長くてびっくりです!

 

犬 ぐったり、止まらない吐き気でご来院。これは大変でした、飼い主様も心当たりなしでした。

単純なレントゲンや超音波検査では異物の確認が困難でした。

異物 バリウムレントゲン消化管造影検査を実施しました、小腸領域が大きく拡張し、何分たってもそこから奥には造影剤が流れて行きません。超音波では腹膜炎を示唆する所見があったので緊急試験開腹手術となりました。

犬 異物 穿孔すでに腸に穴が開き、大網という内臓を覆う膜が癒着し、腹膜炎を起こしていました。

犬 腸切除壊死して穴の開いた腸を癒着した大網ごと切除して、

犬 消化管吻合綺麗な腸で縫い合わせます(消化管吻合)。

その後は何度も何度もお腹の中を洗浄して、抗生物質をガッツリ使用して回復するのを祈ります。消化管穿孔して腹膜炎は極めて致死的です。

この子はなんとか復活してくれて10日ほどの入院で元気になりました。異物の正体は 麻っぽい繊維状の塊でした、飼い主様にも確認していただきましたが、自宅には存在しないものだったので、お散歩の時に拾い食いしちゃったのかな〜?とのことでした。

 

様々な異物を紹介しましたが、ごく一部です。異物誤飲は、本院のように規模の小さい動物病院でもほぼ毎週のようにあります。多くは胃の中にあるうちに吐かせたり、吐かせるのが危険なハリやガラス類は内視鏡胃カメラで摘出することで事無きを得ています。実際に手術が必要になる消化管完全閉塞はごくわずかです。しかし、消化管に穴が開くと致死的なので注意が必要です。

異物を飲んだ!おもちゃを飲んだ!梅干しの種などを丸ごと飲んだ!散歩で拾い食いした!というのがありましたら、まずは病院で吐かせる。

吐かせることができない針状の物や鋭利な物は胃の中にあれば内視鏡胃カメラで摘出できます。

異物の誤飲には十分お気をつけください。異物誤飲はワンちゃんも猫ちゃんも繰り返します。

中には2度繰り返し、2度手術したワンちゃんもいます。普段から拾い食い癖のあるワンちゃん猫ちゃんは、危険なものは鍵のついた簡単に開けられない箱などに片付けましょう。

 

犬 猫 異物誤飲 腸閉塞 開腹手術 入院〜退院まで費用総額 12〜18万円

(単純な腸切開手術〜腸切除して吻合手術、腹膜炎の有無、難易度によリます)

 

 

 

 

 

 

 

 

投稿者: アプリコット動物病院

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